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<第1回海外探鳥旅行 1994年>
香港バードウォッチングの旅
香西宏明
  今年1月、“支部初の海外探鳥ツアー”の記事を見て、私もぜひ参加してみたいと思いさっそく申し込みました。香港てどんなところで、どんな鳥が見られるのか、また3年後中国に返還される前に一度訪れてみたいと楽しみにしていました。
◇3月10日(木)曇◇
  午前6時30分岡山駅集合。参加者15名。三原から広島空港へ、そして香港ヘ。雲の上はいい天気です。時差1時間。到着後、入国手続きを済ませ、まずはバスで香港島へ。ガイドの林(りん)さんの案内で窓からビル群を眺めながら香港の街を走ります。ここで何より驚いたのは建設中のビルの足場。高層ビルであろうが、すべて竹を組んで使っているのである。アウブンハウ・ガーデン(旧タイガー・バーム・ガーデン)に寄り、ヴィクトリア・ピークに向かう。途中WWFの事務所に立ち寄り、売店で見つけた米埔自然保護区の鳥のミニ図鑑を買う。(HK5$) 今回、ツアーの前に香港の野鳥図鑑を手にすることが出来なかった人が多かったので強い味方になった。ピークトラムに乗り、標高552mのヴィクトリア・ピークへ。上から眺める香港の街並、ちょっと観光気分を味わいながら、バードウォッチングも兼ねて山を一周。バスで下山して、タ食はこれぞ香港といった派手な電飾の水上レストランで楽しみました。

ビクトリア・ピークからの香港島市街地 国境監視下の尖鼻咀でアオショウビンを観る
◇3月11日(金)曇◇
  7時起床。朝食後、8時出発。いよいよ本格的に探鳥会です。バスで米埔地区の近く、尖鼻咀へ向かう。窓から見える風景と、時折見せる鳥の姿に夢中になってしまう。1時間程で到着。バスを降り、海岸沿いの湿地帯で観察。サギ類、カモ類と登場。しばらくするとヤマショウビン発見の声、初めて目にする美しい姿に見入ってしまった。緑のマングローブの中で碧い体が輝いていた。ここでは、アオショウビンやシロハラクイナなど38種類確認しました。午後から移動して米埔自然保護区の中に入り、大学生のジャニスさんのガイドで約3時間の探鳥会を行ないました。広い湿地帯の中には、観察小屋もあり、入口の手前からアシや板で囲い、人の姿が見えないように小屋に入り、座って細い窓から見えるようにした簡単で効果的なものです。窓から湿地帯が見渡せ数羽のコウノトリが見えました。遙かむこうには国境地帯の鉄条網が見えます。鳥たちに国境はないのに・・・、考えながら見ていたのは私だけではなかったと思います。この保護区の中に、カモ類を中心に飼育されている池があり、ハイイロガン、アカツクシガモ、シマアジ、オシドリなどたくさんの水鳥が見られました。

〔確認した烏〕カイツブリ、カワウ、ゴイサギ、アカガシラサギ、コサギ、チュウサギ、ダイサギ、アオサギ、コウノトリ、ヒドリガモ、オカヨシガモ、コガモ、マガモ、カルガモ、ハシビロガモ、トビ、ミサゴ、シロハラクイナ、バン、オオバン、ケリ、ハマシギ、タシギ、アカアシシギ、アオアシシギ、イソシギ、カノコバト、オオバンケン、アマツバメ、ヒメアマツバメ、アオショウビン、ヤマショウビン、カワセミ、ツバメ、キセキレイ、ハクセキレイ、ホオジロハクセキレイ、コウラウン、シロガシラ、シリアカヒョドリ、シキチョウ、ノビタキ、セッカ、マミハウチワドリ、アオハウチワドリ、オオヨシキリ、ガビチョウ、キンバネガビチョウ、モズ、タカサゴモズ、カササギ、クビワガラス、クビワムクドリ、ハッカチョウ、スズメ。(以上55種類)
WWWF香港の米埔管理事務所で記念写真

◇3月12日(土)曇◇
  今日は大埔カウ自然保護区での探鳥会です。よく整備された山道を登り始めると、鳥のさえずりと姿が見えかくれする。次々と現れてくる鳥たちに、しばし足を止める。山の中を歩きながら約3時間楽しみました。
  午前中の探鳥会も終えようと下山の途中でした。魅せてくれたのはエンビタイョウチョウとオレンジコノハドリでした。谷問に咲いた赤い花に、体の鮮やかな色が光り輝き、間近で亜熱帯の鳥を十分に堪能させてくれました。下山時刻も忘れてしまうほど、皆を夢中にさせてしまいました。昼食は本場の飲茶。皆さん美味しい昼食だったに違いありません。午後からラムチェン渓谷に移動。渓谷と言えば美しい山に谷川を想像してしまいますが、ここは農家や民家が点在するふつうの田舎の風景。畑の回りを歩きながらオニカッコウ、カンムリオオチュウなど確認しました。また突然現れてみんなをびっくりさせたオオバンケンなど最後まで楽しませてくれました。

〔確認した鳥〕アカガシラサギ、コサギ、ハチクマ、ノスリ、シロハラクイナ、キジバト、カノコバト、オニカッコウ、オオバンケン、ヒメアマツバメ、ツバメ、ビンズイ、キセキレイ、ベニサンショウクイ、コウラウン、シロガシラ、キバネヒヨドリ、オレンジコノハドリ、ジョウビタキ、シキチョウ、キマユムシクイ、ヒタキSP、ズアカエナガ、シジュウカラ、エンビタイヨウチョウ、メジロ、カンムリ才オチユウ、カササギ、クビワムクドリ、ハッカチョウ、スズメ、シマキンパラ、シロハラホウジロ、キマユホオジロ、不明1。(以上35種類)

大埔カウ自然保護区で現地バーダーより情報を仕入れる

大埔カウ自然保護区でエンビタイヨウチョウに出会う ラムチェン渓谷でオニカッコウを待つ

◇3月13日(日)曇◇
  朝食後バスで空港ヘ。広島空港へ向け帰国。4日間雨も降らず、トラブルもなく楽しい旅でした。機会があればまた訪れてみたいと思っています。最後にこのツアーのお世話をしてくださいました渡辺さん、ありがとうございました。
(野鳥おかやま1994年7月号掲載)

香港BWの旅概要

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