1.A 具体的な資料準備の段階です。
左画像(スケッチ1.スケッチ2.)は一般的なスケッチです。折に触れ、気にとまった何かしらを描いておく必然性についてはあらためて何かを言う必要も無いでしょう。
注意するのは、
1.正確に形(バランス)を捉えようと意識すること。
2.何が気になったのか、注目したのは何かを確かめながら描くこと。
(注目した色なども描き止めておくと制作の時の手がかりになります。)
3.線を使って描く対象を捉えようとこころみること。
最終的な目標が「線」を生かした古典的な描法ですから、スケッチの段階から、線を意識する必要があります。
描いたまま、最低限の変更で下図にすることが可能な場合もあると思いますが、一般的には、スケッチはあくまで「仕込み」です。対象物をどのように見ているか、理解しているかを確かめながら描く視線が望まれます。
牡丹を描いたスケッチ1.では、蕾(角度様々)、花(正面、横から、斜めから)、葉の付き方、枝分かれ、地面からの生え方など、パーツ毎に資料化して写生しています。
竹を描いたスケッチ2.では節の部分から出る葉の部分の分枝、もしくは節の様子、葉の具体的な付き方、間隔などをメモ書きとともに行っています。
この段階では、どのように対象を自分が見て理解したのか?という視点が重要です。
デジカメ(デジタルカメラ)の使い勝手もよくなり、取材に十分利用可能となりました。スナップ程度の資料が良い場合もありますが、花などは、細部、バランス、構図なども含めて撮影出来る場合もあります。この時、カメラの操作で、絞りやズームが使いこなせると、背景を暈かして主題だけを写すといったことが可能になります。このように出来るメリットは後述します。
現在では拡大縮小の出来るコピー機も一般的になり、パソコンのプリンターとして一般家庭に入って来ました。コピー台に乗せられるもの、花など、たとえば水仙、ツユクサなどは、スキャナーの上で構図を決めてそのままコピーしてしまうことで、簡易な下図として使用可能なものも作ることが可能です。
このほか、現在ではパソコンの能力も高まり3DCGのアプリケーションも使い勝手が良くなっています。描きたい花の基本的な姿をCADを使って作り、構図や見る視線を自由にすることや、色彩のシミュレーションに使うことも可能です。
※、便利なテクノロジーを使う手法を紹介していますが、人間の目、手を使うこと、また筆、鉛筆といった道具が経験によって、描く形、線を生き生きとさせてくれることも無視できない重要な要素であるということは忘れないでください。
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