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2/7//2011  材料技法

小野竹喬 日本画の技法と素材

■ 笠岡市立竹喬美術館友の会発行の「小野竹喬 日本画の技法と素材」(平成23年2月出版)という冊子制作のお手伝いをさせていただきました。
 
小野竹喬 日本画の技法と素材 表紙
>> 小野竹喬 日本画の技法と素材 表紙 (26.16KB)

岡山県笠岡市出身の日本画家小野竹喬さんの未発表原稿の一部をまとめ、出版される事になった今回の冊子、光栄なことに制作に加わらせていただきました。もちろん文章の編集、冊子制作の中心は、笠岡市立竹喬美術館の徳山学芸員です。竹喬の書き残した自身の制作に関する事柄や、当時の日本画制作に対する問題意識について、またあるべき勉強方法についてなどが書かれている文章を一般の方々にも分かりやすくまとめることになったのです。

私の作業は、日本画の制作に実際に関わる者として、紹介されている材料についてや技法の事、また使用する道具についてなど、書かれている事をわかりやすく具体的に紹介するお手伝いをすることでした。
 

 
竹喬の言葉、ノートの具体的紹介ページ
>> 竹喬の言葉、ノートの具体的紹介ページ (13.01KB)

竹喬の残した言葉をテーマ事に編纂し、使われている難しい言葉や、材料の名前等、また他の画家が類似の内容を述べている事等を注釈として本文を読みながら同時に参照できる様に編集されています。

また、言葉だけでは難しい部分、画像資料を別ページに作りました。

 
日本画講座紹介
>> 日本画講座紹介 (15.58KB)

基本的な日本画制作の実際を紹介しています。

ただし、漠然と日本画とひとくくりに出来ない現状をふまえ、古典的な描法、特徴的な作業手順の紹介を試みました。

 
波切村 制作をトレースしてみて
>> 波切村 制作をトレースしてみて (45.56KB)

今回の竹喬ノートでは、具体的な作品の制作過程についても触れられており、その一部を実際に行う様子も収録しています。

この他、絹枠ばりの様子や、仮張りについて、絵の具の作り方、塗り方、下図作成についてなど、このサイトで紹介している日本画入門講座基礎編のサブセット的なものも収録していただいています。


読ませていただいて、まず竹喬が当時の日本画教育について問題に思っていた事柄や、その改善に必要とされる勉強方法について触れていることに驚きました。現在、私自身が問題と思っているような事柄が昭和初期にとっくに考えられていたのです。

このサイトで紹介している昭和一桁の時代に出版されたそれぞれの本で、形は違えど大切と触れられている存在。それが何故、第二次大戦の敗戦以後触れられなくなったのか。そしてどのようにして現状の様になったのか。このあたりの考察が重要な意味を持ちそうです。


※関連行事として

特別講座
『小野竹喬 日本画の技法と素材』について
2月26日(土) 13:30〜15:00
講師 森山知己(日本画家)

竹喬の《波切村》がどのように描かれたかを中心に、日本画を描くことについての話をさせていただく予定です。

※ 講座受講は予約が必要です。笠岡市立竹喬美術館に事前に申し込んでください。
また、この冊子は、美術館で一冊700円で販売されるそうです。

問い合わせ:笠岡市立竹喬美術館 電話 0865−63−3967