江戸にあそぶ 個展の紹介他 その2
上記が今回の技法を試した初回のバージョンです。基本的に尾形光琳の紅白梅図を参考にしての制作です。技法の追試として、所謂、光琳模様も試してみました。左は銀箔を貼ったあと、ドーサ液を筆につけ文様を描いたのち硫黄粉によって硫化させた後の状態です。
上記のものに金箔を貼ったものです。
試したサンプル各種です。模様の持つ強さをあらためて感じた制作でした。個展の会期、硫化による描法については以下http://plus.harenet.ne.jp/~tomoki/newcon/news/2011/072901/index.html ※今年奈良で行われた吉備国際大学の馬場秀雄先生チームによる保存修復学会での発表は、「時代金箔についての一考察」というテーマでした。国宝「紅白梅図屏風」の第二次調査において金箔技法を担当されたとのことです。なお、銀箔の硫化サンプルなども展示されたとのことで、こちらは大学の棚橋映水さんが担当されたとのことです。また大学院の小林雪佳さんも発表に名を連ねていらっしゃいました。ドーサ液、もしくは濃い膠溶液による流水の描画、マスキングについての質問をいただきました。エッジ、形の抜けをシャープにするには?ということでしたが、もちろん流水自体の形もさることながら、そこにこそ絵描きとしての面白さがあるのです。勘所は、「運筆」の基本、ゆっくりとした筆運び、基底材を捉えた筆遣いとなるのですが、馬場先生の言葉をかりると、「かさ」が必要、この「かさ」を確保するのがゆっくりとした筆運びなのです。このあたりが現在の私の興味と繋がっている部分なのです。なおこのサイト中にも「運筆」などで検索すると関連情報があります。
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