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12/21//2014  材料技法

魅惑の美 Crystal シンポジウム

■ 12月20日、大阪大学シグマホールで行われた「世界結晶年2014記念シンポジウム魅惑の美 Crystalー先端科学が拓く新しい結晶の魅力ー」に参加してきました。
 
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 今年2月に熱海MOA美術館能楽堂で行われた「文化財を甦らせる結晶学 ―紅白梅図屏風の300年前の姿を復元する」。お話する機会をいただきました。この御縁もあって、再びお呼びがかかったのです。

 全ては、NHKの企画した熱海MOA美術館所蔵の尾形光琳作 国宝 紅白梅図屏風・描法再現制作に参加させていただいたことから。こうした機会、ご縁をいただけたことに感謝するばかりです。
 本物を間近で拝見できる機会をいただけたり、またいろいろな実験を行えたこと、ワクワク出来る貴重な取り組みでした。加えてこうして多くの素晴らしい方々との知縁をいただけたことも得難い機会となっています。感謝!。

 
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 大阪大学の待兼山キャンパス、初めて来ました。阪急石橋駅を出てしばらく歩き、こんもりとしたお山に登ると、大阪大学総合学術博物館がありました。まずは、展示を拝見。真空管式コンピューターの展示があったり、適塾など大阪の学問の流れについての紹介があったり、古代生物展示ではマチカネワニの化石、復元骨格の展示が目を引きました。

 企画展示として今回の「魅惑の美 Crystal」がありました。私が描いた描法再現紅白梅図や、その関連実験資料他、そして結晶学関連(メインはこれ!!)のモデルや、実物資料などなど。

※11月23日・魅惑の美 Crystal ー最先端科学が拓く新しい結晶の魅力ー 展示
http://plus.harenet.ne.jp/~tomoki/newcon/news/2014/112301/index.html


 
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 再び講演でご一緒することが出来た大阪大学の栗栖源嗣 大阪大学蛋白質研究所教授からはやわらかい結晶構造に水が関係していることなど、教えていただきました。まさしく膠もそうですよね。日本画の絵の具ももちろん結晶です。また中井泉 東京理科大学グリーン&セーフティー研究センター長からは、エジプト壁画に用いられている絵の具の調査についての紹介もあり、石黄が使われていることなどお聞きできたのは興味深かったです。
 初めてご一緒した藤森直治(株)イーディーピー代表取締役社長さんの「ガスからダイヤモンドを作る」という講演も、刺激的でした。墨もダイヤモンドも同じカーボンです。講演後にいろいろとお話出来たことも幸いでした。カーボンと水、やはり膠が果たしている役割は大きいのです。
 このほか、シンポジウムのお手伝いをされていた学生さん?からは、疑問だった銀箔にいろいろな色が出る理由について教えてもらえたり、本物の紅白梅図の金箔に見られたオレンジ色、赤い色が出る理由であろうことについても教えてもらうことが出来ました。
 
 懇親会後には、博物館長の橋爪さんが同窓であり、私と同時期に芸大にいらしたこと、名物教授の授業についての思い出話や、気になる絵画、絵画技法についてなどの話を出来たことも楽しいことでした。ご縁に感謝するばかりです。