Ten−Tec OMNI-Vi Model 563
ROM交換により DSP対応の OMNI-Vi Plus  Model564 相当に?
スピーカー内蔵外部電源 Model 962 と一緒に 
1992〜96年にかけて製造された製品です
送信は、SSB、CW、FSKまたはAFSK、FMに対応し、WARCバンドを含む、160mから10mバンドをカバーします
CWは、フル・ブレークイン、セミ・ブレークインに対応
本機とよく似たデザインのPARAGON(II)は、100KHzから30MHzまで連続カバーでAM受信OKですが、本機は、アマチュアバンド専用です(AMには対応しません)
アマチュア無線目的に特化した性能の追求…デジタル・シンセサイザ方式ではどうしてもCNが悪い、ゼネカバは捨てても、みたいなところがあります

本機の後継で発売された OMNI-Vi Plus Model 564というモデルがあります
1997年から2002年まで販売されたようです
ロジック・ボード上のデジタルとDSPの2つのROM交換で、本機がPlusにVerUpできるサービスが過去にあったようで、調べると当時$75で販売されていたようです
本機ではそのROM交換を実施し、関係してフロントパネルのボタン名称がオリジナルとは変わっています(元のボタンの上にラベルが張られている)
OMNI-Vi Plusでは、9MHzクリスタルフィルタが4つ選択できますが、この点は劣ります(本機では選択は2つ)

同じシリーズ名がついていますが、OMNI-Vii は、これらとは全く顔つきや内容が異なります(ICOM 756シリーズ・イメージ)

以下、公表スペック
モード 1.8〜30MHz
SSB/CW/RTTY 0.15μV 10db S/N @2.4KHz
FM 0.3μV 12db SINAD 1.0KHz TONE

フィルタ選択度 −6db −60db
標準 2.4KHz 4.50KHz
オプション 1.8KHz 3.4KHz
オプション 0.5KHz 1.4KHz
オプション 0.25KHz 0.85KHz
FM 15KHz 30KHz

 
PLL方式採用の2PTO(デュアルVFO)
周波数表示は、7セグメントLED(2色)
TCXOは、オーブン付きのものが採用されています
安定度は、通電1〜2分後(オーブン・ウォームアップ)から±50Hz以下@25℃
PCインターフェイスを持ちます

1stIF=9MHz 2ndIF=6.3MHz(FM 455KHz)  ダブル・スパーヘテロダイン方式を採用
イメージ妨害比 90db以上  中間周波妨害比 90db以上 
ダイナミックレンジ 97db@2.4KHz巾 20KH離調時  100db以上 CWフィルター時
三次インターセプトポイント(IP3) +10dbm 
ノイズ・フロアー −133dBm@2.4KHz巾
フェーズ・ノイズ −122dBc@1KHz −138dBc@20KHz
パスバンド・チューニング ±1.2KHz  
自動DSPノッチフィルター
オーディオノッチ(手動)/250〜2.2KHz 50db
CW DSP フィルター  ローパス 選択は1400,1200,1000,800,600Hzの5段階

ダイヤル/表示共10Hz台まで
VFOはA/Bのデュアルで、もちろんSPLIT操作もできます
また送受のオフセットは、それぞれ±9.99KHzまで可能

送信100Wのユニットを内蔵し、これで約7.25Kgですから、とても軽く感じます(総アルミも大いに関係するでしょう)
100Wの連続送信には、やはり別途強制空冷の考慮が必要でしょう

リアパネルの様子
多彩な入出力端子が並びます
KEY端子以外に、KEYER端子も用意があります
232c I/Fも、標準で内臓
ParagonやCorsair、Omni V までとは異なり、アナログ調整VRはありません
こちらが、本体上部、上ケースを取り外して見た状態です
右側の大き目な基板が、ロジック・ボードです
内臓スピーカーも、本体に取り付けられていますので上蓋の取り外しには気を使わなくていいです(ひとつ前のOMNI- Vは、上蓋に取り付いていた)
ロジック・ボード
左下の黒い円柱状のものは、オーブン付きのTCXO
周波数安定度についても、前モデルの OMNI V に比べ向上策がとられています
白いラベルの張られている2つのROMが、Plus相当へのVerUpのために交換したものです
余談ですが、ROMを引き抜くのは、意外と大変な作業です
左端の何も刺さっていない基板コネクタは、音声アナウンス用オプションボード(Model257)装着用です
OMNI-Vi Plus相当にROM交換でバージョン・アップ
関係して、ボタンの持つ機能にも変化が
既存のボタンの上から新機能に相当するラベルを張りました
右端の列に注目
 ST 元は、DIM
 LP 元は、CLK
 NR 元は、ST
これらが、ROM交換してVerUpしたために機能の変更となったボタンです
下面のケースを外すと、このようなアルミ製のシールド板が現れます
国産の無線機にはない美しさがあります

左の四角なプレートの下は、9MHzクリスタルフィルタ
右の長四角のプレート下には、6.3MHzクリスタルフィルタ
を取り付ける場所です
ボード・ナンバーをはじめ、調整の対象がきちんと表記してあります
左側が、9MHzクリスタルフィルタ部
2.4KHz巾のもの1種類を内蔵

右側が、6.3MHzクリスタルフィルタ部
2.4KHz巾と、0.5KHz巾の2種類を内蔵
(0.5KHz巾は、6ポールでオプションを追加)
2.4KHzフィルタは、いずれも8ポール
パスバンドチューニングでフィルタを2段使うことで、16ポールのフィルタを内蔵との表記もあります
いずれにしても急峻な特性を持つフィルタが採用されています
周波数表示は、7セグメントLEDが使用されているのですが、メーター照明は白熱球…従来型のPLです
発熱はしますが、昼光色で、これはこれで良いものです
周囲からはずいぶんと距離がとってありますので、どこかを焦す心配はなさそうです

こちらは、内蔵スピーカー
周囲のウレタン・スポンジがボロボロです
古い製品では、よく目にするパターンです
どこかで交換、張り直しをせざるを得ない問題かと思います
高周波的には、きちんとした設計・・・アルミ板でユニット毎にきちんとシールド・・・市販商品の中にあって、ここまで徹底できている製品ばかりではありません

TEN-TECらしいというか、独特の使用感、受信が楽しめます
個人的にですが、CorsairII(Model561) PARAGON も含め、TEN-TEC製品の使用感は好きです(受信時の雰囲気は、好みです!)

ほとんんど同じ格好で、PARAGON シリーズがあります
PARAGONは、マイクロプロセッシング・シンセサイザ方式です
本機は、水晶発振子によるローカル・オシレータにプラスPLL(500KHz巾)方式のVFOという構成で、アマチュア・バンド専用となっています
ゼネカバ受信対応/全体の周波数安定度をウリにするPARAGON、より高性能(低位相雑音性能)なアマチュア・バンド専用、これが本機となっています
同じTEN-TECにCorsairII(Model561)というトランシーバがあります
こちらはPTO/アナログVFOを採用したモデルですが、本機が言わばこの後継機、デジタル(PLL)版ということになるのでしょう
2022.03   JA4FUQ

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