Heath-Kit  SW7800
1984年から1990年ごろまで、$350位で販売されていた、0.15〜30MHzを、1MHz単位で切り替えて連続カバーする受信機、Kitです
ディジタル・ディスプレイとPLL回路を搭載した、ある意味本格的な構成のゼネラル・カバレッジ・レシーバーです
292x117x267mm 重量約3Kg のコンパクトな設計です(軽量は、シャーシ・ケースすべてアルミ採用のせいも)
スピーカーもフロントパネルに用意され、操作ツマミも、ご覧のように最低限のものしか用意されていません
 
本機の構成
1stIF:50.455MHz
2ndIF:455KHz
アップ・コンバージョン方式のダブルコンバージョンタイプ
TOPミキサー方式の採用で、調整するRFコイルは、1st−IF の2個と、455KHzの1個しかありません
RF入力は、BPFで6つ(6バンド)に分割されています
このため手動にて高周波段で同調を取る操作はありません
選択度を決めるフィルタは、455KHz AM用の5.5KHz巾(−6db)のセラミックフィルタのみです
AMナローと、SSB・CWは、オーディオ・フィルタ(2.5KHz巾)を併用するようになっています

リアパネルも極めてシンプル
外部スピーカーの接続端子もありません(MUTE端子は出ています!)
商用電源もしくはDC13.8Vで運用できます
元々、ロッド・アンテナが標準で用意があったようですが、入手して時点では付属していませんでした
ブッシングだけ天板に残っています
シャーシには、ネジ端子が取り付いています
アマチュア無線用の受信機とは異なり、ハイ・インピーダンスのアンテナ(ショート・ワイヤーアンテナや、ロッドアンテナ等)の接続が意識してあります

見えている青色の線は、内臓ロッドアンテナからのもので、Hi-Z端子に接続して使用します
50Ω給電のアンテナの接続は、M型コネクタです
1200mmという長いロッドアンテナを入手
取付ネジは、ピッタシ
ゴムブッシングのところは無理やりでしたが、アンテナ内臓になりました!
アンテナ切替は、上写真の青線接続の有無です
底ブタをあけて、シャーシ下面を写しました
取り付いている1枚の大きな基板はレシーバー・ボードです
左上が、RF-TOPのBPF部
真ん中下には、455KHzセラミックフィルタ
1st-Mixでは、50.605〜80.455MHzのオシレータ信号を受けて、50.455MHzの1st-IFに変換し、2nd-Mixで50.0MHzのオシレータ信号を受け、455KHzの2nd-IFに変換、その後検波という流れです
BFOは、LC発振で、LSBの時は、TRスイッチでCが発振コイルに並列に入るようになっています
AGCは、オーディオ検出型です
VFOの発振周波数は、5.545〜6.545MHzです
VFO部、VC周辺のアップです
1/6のバーニア機構+糸掛けドライブです
メインダイヤル1回転で、おおよそ75KHzくらいです
デジタル周波数表示に依存して、ダイヤル・リニアリティなどは、そんなに気にしてはいないようです
周波数表示のデジタル化により、手が抜ける部分でもあります
VFO減速メカの一つ、糸掛けダイヤル部が見えます
上手に減速機構を構成してあります
フロントパネル側に、1/6減速のバーニア機構が取り付いています
シールド板風に見えるのは、高圧部(AC115V側)のカバーです
うかつに触ることの無いように、感電防止策です
この辺りは極めて良心的というか、顧客目線かというか、クレーム対策というか・・・
上蓋を外してシャーシ上面の様子です

シンセサイザー・ボード(写真左)と、コントロール・ボード(写真右)です
シャーシ下面のレシーバー・ボードと、大きくは3枚の基板で構成されています
シャーシ上面をリアパネル側から写したものです
フロントパネル裏側の様子が分かります
入手時点では、SSB/CWが正常に受信できませんでした
AMは正常に受信します
原因は、BFOの発振停止
BFO発振TRをチェックしていたら、突然発振をしました
長期間通電してなかったのか、時々こんな症状に出会います
しばらくテストしましたが、正常動作が続いています
感度を測ってみました
7MHz帯  SSB/CW時  0.5μV入力 S/N10db
        AM時 2.5μV  30%変調ON/OFFで S/N10db
21MHz帯   SSB/CW時  1.0μV入力 S/N10db
        AM時 3.5μV  30%変調ON/OFFで S/N10db
スペックには、SSB/CW 0.35μV  AM 2.5μV S/N10dbとあるようで、微妙なところです
感覚的には、ややセットノイズレベルが高いように感じます(S/N低下に繋がる、これが正常かどうかは?)

実際に短波放送やアマチュアバンドを聞いてみたところ、感度的には十分そうに思われます
ちょこちょこ内部スプリアスが聞こえます
選択度について、SSB/CWにあっては、近接の強力な信号の影響・・・例えば、7MHz帯SSBを受信すると、目的外にごそごそ音が聞こえたり、AGCが働いて、目的信号が押さえられたりする現象が見受けられますが、これは仕方ないことです(5.5KHz巾のIFフィルタの採用)
VFOの安定度も問題ない・・・SSB/CW受信時、通電当初にドリフトを感じますが、すぐに安定します
割り切った設計でKit化された、よくできたシンプルなゼネラル・カバレッジ・レシーバーだと思います
     2026.10  JA4FUQ

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