KENWOOD TS−790D
1988年の発売 TS-790Dは、144・430MHzの2バンドに対応の25W機です
デュアルモード&デュアル受信対応・・・2バンド・デュアル受信機能を搭載のオールモード機です
バブル時代・・・¥269,000が、発売時価格です
1200MHzは、UT-10というオプションの追加で対応できるモデルでした
UT-10 ¥72,000だったようです
小売業をやめた今となっては、あまり活躍の場は無いのですが、修理時の動作確認用に144〜1200MHzに対応したオールモード・トランシーバ(受信機)として入手しました
ここまでTS-770を使用していましたが、1200MHzバンドの追加を図ろうとしたものです
ベースが144/430MHzの2バンドに対応するもので、あとから1200MHzオプション・ユニットを追加したものです
3バンドそれなりに動作するはずであったのですが、ウソがあって1200MHzユニットは壊れていました
144/430MHz帯は、それなりの動作をしています
歳なり?に使用感のあるもので、結果複数のランプが切れています
ボリューム類も取付が緩んでいたり、ガリがありますが、これらは特段の問題なく対応できそうです
リアパネルです
アルミダイキャスト製の各バンドのユニットが装着された構造です
電源は外部供給
1200MHz帯は、10Wですが6A位消費します、そのせいもあるのかユニットには空冷ファンが用意されています
その他のバンドは25W出力で、最大9Aの消費電流です
ウソは残念なことで、例によって?修理スタートです
1200MHz帯にバンドを切り替えると、1〜2秒間周波数を表示しますが、すぐにその表示は消え、ドットだけが点灯する状態になります
いわゆるPLLロック外れのようです
状態を追いかけると、どうも「C LOOP PLL IC」 MB87006AがNGのようです
入力側のプリスケーラの信号は受けていますが、出力が出ていません
故障個所は分かったのですが、困ったことに、このDIP型のICは廃版で入手できそうにありません
幸いなことにSOP16型のものは入手できそうで、変換基板を用意して交換することにしました
ここまでの用意はできていたのですが、その先の手がつかず1年間放置したままでした
まずは、このICを交換して、様子を見るところからのスタートです

取り敢えず故障個所を見つけ、その後保管のために仮に組み立てていたものから、改めて問題のユニット UT-10を取り外しました
このユニット上側は、高周波部です
ユニット下側にPLL基板があります
その角部分に、今回壊れていたPLL-ICが取り付いています
この写真は、問題のあったPLL-IC交換場所が分かりやすいように、交換後に撮ったものです
このIC部分に、ウレタンと思われる緩衝材が取り付いていましたが、劣化が激しく取り外しました
今回の対応に際し、お世話になったパーツ
SOP16Pin=>DIP変換基板

ブレッドボード用のジャンプワイヤ
このジャンプワイヤの片側を180°ひねって使用することで、うまい具合にICソケットに対応できました
ICとコンデンサを取り換えた様子
入手した変換基板のサイズが大きく、IC傍に縦に立っていた電解コンデンサ(50V4.7μ)に当たるので、このコンデンサも取り外して横向きに取付し直しました
今回対処したPLL−IC部分のUpです
全体に足が長くなるのは覚悟で、今後のトラブルを考えICソケットを採用しました(丸ピン型)
結果、動作に問題はありませんでした
PLL-IC交換で、次なるトラブルの発生が見つかるかも?と思ったのですが、おかげなことに他のトラブルはありませんでした
このPLL-IC交換のみで、1200MHzが運用できなかった問題は解決しました

切れたPLの交換を行い、フロントパネルを外してガタついていたボリューム類の取付を締め直し、ガリオーム対応を実施、最後に送受スペックの確認を行い、修理対応デスク前の棚にあるTS-770と入れ替えました
電気的なスペックについて
30年以上経過した今でも、新品時のスペックをクリアできているところは素晴らしいことです
入手から1年がかり・・・足元が少しだけ片付きました
2023.11   JA4FUQ

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