TRIO TX−88
1959年(昭和34年)にキットで¥12,000にて販売された、3.5/7MHz 2バンド10Wの送信機です
307w x 168h x 180d と非常にコンパクト  重量は、約7.5Kg
6AR5 2ステージで、10Wの出力を得ようとするものです
AMは、6BM8プッシュプルの変調器を内蔵し、プレートスクリーン同時変調をかけます
6AR5の終段に対しては十分すぎる変調器(変調出力)です
CWは、当時お決まりの終段カソード・キーイングです
整流管6CA4を含み5球で構成されたものです

今回入手した本機は、オリジナルの状態ではなく、実際に運用を始めたらこうなるであろうという改造がなされたものです
まず、オリジナルでは付いていなかったメーターが取り付いています(終段のIG・IPを切替表示)
そのメーターの取付場所の確保のために、ファイナル・ロード側200PFの固定コンデンサを切り替えていたSWを取り外し、200PF程度だったVCを430PFの2連のものに交換してあります
送受信切り替えに頻繁に使用するSWを、ひ弱なスライド型からスナップ型に交換してあります
TVI/BCI対策に、ACラインにフィルタが組み込まれています
リレーを内蔵し、受信機に接続するアンテナ端子の用意があります
VFO入力が単独で用意があります
アンテナ端子が陸式ターミナルからM-Rに変更されています
やっぱり・・・こうなりますね

この後、28MHz帯までカバーするよう5バンド化され、大ヒットとなったTX-88Aの言わば兄貴です
リアパネル
2つのBNC-Rは
1.受信機に接続するアンテナ端子
2.VFO接続端子
GTソケットには、受信機のスタンバイ配線も出ています
シャーシ上部
シャーシは再メッキしてあります

RF系の球には、オリジナルには無いシールドケースが採用されています
整流管 6CA4(黒のブロックコンデンサの位置にあった)は、ダイオードに置き換えられています
元々ブロックコンデンサの取り付いていた位置には、リレーが取り付けられています(右下のシールドされて見える)
終段の6AR5は、対流(放熱)をよくするためにでしょう、パンチングメタルが採用されています
シャーシ上部、フロントパネル裏です
VCの取り付けには、サブパネルが用意されていますが、ひとつ横に移動させてあります
メータの位置は、元々200PFロードVCの位置
元々200PFの固定コンデンサを切替るロータリーSWの位置なのですが、430PF2連のVCを取り付けて使用することで、このローターリーSWを省略してあります
VC200PF+必要な容量をSWで切り替えて追加というスタイルを430PF2連VCに置き換え、ツマミをひとつ省略、空いたスペースにメーターを取り付けたという形です
シャーシ底側
オリジナルにはなかった、ACラインフィルタが用意されています(電源トランスの上に見えます)
TOP写真に写っている状態、7195KHzのクリスタルを使って
CWでちょうど10W、AM無変調時に8W程度の出力が得られています(50Ωダミーロード負荷)
プレート同調VCがちょうど最小容量のところで、です(High_Lです)
この時期の受信機・・・同じTRIOでしたら9R-4J/KT-200でしょうか
2025.05    JA4FUQ 

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