展覧会案内・感想

2011年03月09日

 「日本画」の前衛 1938-1949
「日本画」の前衛 リーフレット表

「日本画」の前衛 リーフレット表
広島県立美術館で 「日本画」の前衛 が行われています。 
2011年2月22日(火)〜2011年3月27日(日)
開館時間 9:00〜17:00
土曜日は午後7時迄開館  入館は閉館30分前まで
休館日毎週月曜日 ただし3月21日(月)は開館

京都国立近代美術館で昨年9月にはじまり、今年になって東京国立近代美術館、そしてここ広島県立美術館に巡回してきました。

なかなか出不精な性格故、県外というと今ひとつ腰が上がらないことが多いのですが、今回は別!。理由は、現在個人的に気になっている時代を対象とした展覧会であること、また切り口の面白さ、そしてご縁のある方からのご案内!があったとなれば、やはり行かねばなりません。 と、いうわけで、日帰りで本日、行って来ました。初めて利用した高速バス、思う以上に便利で認識を新たにしたところです。(このあたりは別項(広島へ高速バスの旅)で


ネット上でも、そして一般週刊誌にも記事として取り上げられる等、その筋(ARTの好き)の方々には、かねがね評判の良い展覧会と聞いていました。確かにその通り!、なかなか見応えのある作品を集めた展覧会です。
上記リーフレットで紹介されている船田玉樹の「花の夕」、これがなんと1938年作とのこと、前年には日中戦争が始まり、そして国家総動員法が出された年です。1941年には真珠湾攻撃のあった年と考えるとまた別の思いも湧いて来るような気がします。

確かにポップな花の色、その選択。ファーマルピンクとか、コチニール、いわゆる染料系の絵の具を使っているように見えました。木、枝の描き方など、筆遣い、そして絵の具の使い方、きっちりとした作業です。決して材料について無茶をしているわけではありません。それが証拠に絵肌の安定している事。現在発表されている作品の方が危ないのが多いかもわかりません。

私が確認したかったのは、実はこんな細部なのです。

一般に平面絵画について考える時、「色」と「構図」は、どんな描画材料を使おうと当然のごとく考慮せざるおえない部分です。「日本画」であろうと「洋画」であろうと、どのようなコンポジションを行うか、何を描くかなんてことは、今となってはこれらを区別する大きな問題と捉える事自体が少々ピント外れな事なのかもわかりません。おそらく現在、絵を勉強されている様な若い方々からすれば、すべてが当たり前に見え、何が前衛だったの?と、思うような絵ばかりかもわかりませんね。もちろんこれらが制作されたときよりすでにかなりの時間が過ぎていたとはいえ、私自身の学生時代(1980年頃)を振り返りながら見ても、「あッ!この絵に似た様なことをしていた同級生がいたなぁ」「「これも!」「これも!」と、そんなことを感じながらの会場でした。

 では、はたして何をもって「日本画」なのか?

描く時、何を使うか、そしてそれをどのように使うか?、材料の選択のみを言うのではない部分、その材料との関係をどのように形作るか?そんな基本的な要素の中に、もしかしたら何かを見つけられるかもわからないと思っているのです。

バスでの往路、車中で何かを読もうと、ふと書棚から手に取った須田国太郎さんの「近代絵画とレアリスム」。これを読みながら向かったのですが、期せずしてこのあたりについて言及されている部分を見つけることになりました。昔読んだ時には響いてこなかったことが今になってと思うばかり、、、、。 まったく恥ずかしながら奥手です。


「」カッコ付きの日本画という言葉にどんな意味を感じるか!。

個人的には、丸木位里さんの一連の作品!に感服しました。どうしても「原爆の絵」を描かれた方というイメージが強く、これまでこうした見方が出来ていなかったことを残念に思うとともに、だからこそ今回よい出会いとなったと思うばかりです。

「日本画ってなぁに?」と思い始めた方々におすすめの展覧会です。