展覧会案内・感想

2014年05月29日

 生誕100年 佐藤太清展
生誕100年 佐藤太清展

生誕100年 佐藤太清展
 岡山県新見市にある新見美術館で 生誕100年 佐藤太清展 が行われています。2014年4月19日(土)〜6月8日(日)休館・月曜日 午前9時30分〜午後5時(入館は4時30分まで)

 残り会期あと僅か、一週間となった今日、ふと思い立って新見まで出かけてきました。私が学生の頃見た絵が並んでいます。いろいろな記憶が蘇ってきました。
 
 当時、日本画として当たり前のように発表されていた表現手法に対する疑問もあり、また私自身が絵の具を厚く塗ることに興味を持てなかった事もあって、次第にそういった絵が並ぶ展覧会に足を運ぶことが少なくなりました。逆にそれ(そのころ一般的とされた手法)以前の表現に惹かれたり、また日本画にこだわらない新しいとわたしが感じる表現手法の展覧会に足を運び「何か」を求めるようになったのです。

 あれからずいぶんな時間が過ぎました。
 こうしてある時間が過ぎた今、見返すそれぞれ。

 1943年発表の「かすみ網」に惹かれました。細やかな部分まで神経の行き届いた観察、筆使いです。第一室に並ぶそれぞれ、時代の要請といえばよいのか、それに対してどのように絵描きとして対応していくのか、それぞれの試みが並んでいるように感じました。細かい粒子を重ね、厚く塗る事による問題が見えてきます。その後、塗り重ねる粒子の順序を変え、重厚なマチエールを手に入れる試みや、画面構成・単純化による構築的な表現などが試みられています。
 第二室には私が東京時代に見た絵が何枚もありましたが、惹かれたのは、佐藤太清さんが50代半ばで描かれた絵でした。自身の絵として確立してきた絵の具使い、そして意欲的な画面上のチャレンジ、動きの表現、「風騒」「焔(えん・<ほのおの旧字>)。結局、また私が惹かれたのは不思議と鳥が描かれた作品でした。

 時間を溜める筆使い、まさしく「水の時間」を感じることが出来ました。
 児玉希望さんのお弟子さんだったとか、師匠からの書簡も展示されていました。

 他の作家の方にも感じたことではあるのですが、1950年頃〜70年頃のある時期、私がちょうど学生になるより少し前の動き、様子にとても興味深い「何か」があったのに・・近すぎて知らなかった・・。そんなことを思うのです。

 平日のお昼の時間帯にもかかわらず、大変大勢の方が来られていました。美術館スタッフも総出の対応!の様子を拝見、聞こえてくる日本画を描いているらしい方々の会話がとても楽しい一時でした。


 新見からの帰りは、県道33号線を使って成羽方面へ、一度も使ったことのない道です。真新しいトンネルを抜け、あとは谷、ひたすら山間の道を走ります。よくある、1台しか通れないような道幅になったらどうしようなんて思いながらも走り、途中一部区間はありましたが、濃い緑、谷間の川、ダム、水鳥のいる風景、見知った313号線に出た時にはホッとしました。
 そのまま程近い成羽美術館の向井修二記号展を再訪して帰宅しました。成羽美術館の様子はこちらリンクよりどうぞ。
 
 ※リンク成羽美術館の向井修二記号展他