展覧会案内・感想

2016年08月24日

 四季の情景ー美しき日本ー
四季の情景ー美しき日本ー 展チラシ表

四季の情景ー美しき日本ー 展チラシ表
 井原市にある華鴒大塚美術館で「四季の情景ー美しき日本ー」が開かれます。平成28年8月26日(金)〜10月30日(日)月曜日休館 午前9時〜午後5時 ただし入館は4時30分まで(※10月10日開館・10月11日休館)

 「日本画」という言葉が指し示すのは、はたしてどんな絵画なのか。使う材料をその特徴に上げられる方もいらっしゃいますし、また暮らす風土をどのように捉えてきたのか、画題となる対象の見つけ方、美意識を重要視される方もいらっしゃいます。かつて美術館の時代と呼ばれ、「日本画」について考えることを一つの切り口とした展覧会が次々に企画され開催された頃が有りました。そしてそんな時代を経て、それらそれぞれの試みを検証しようとした時もありました。現代美術が注目され、この国の内と外といった視点から「日本画」の見直し、特別と思われた材料の使用に関しても同様の材料が広くアジアで使われていることが確認されたりもしたのです。また、この国の地理的な位置、おかれた気候風土。アートを語る時に特有の地域性を持ち出すことは古いと言われた頃もありました。

 あれから幾年月、アートシーンの中で、「日本画」が取り上げられることが一時よりめっきり少なくなったように思います。そうはいっても、「若冲とか江戸絵画が凄く流行ってるじゃない!」と、仰る方もいらっしゃるとは思いますが、明治に生まれた「日本画」という言葉、一般にそれ以前からの伝統を受け継ぐ絵画と思われている一方、明治期から革新を行ったのだから明治以後の絵画を指すのが適当と仰る方もいるのです。

 グローバリゼーション、国際化。似たように使われる言葉ではあるのですが、同じカタカナで書かれる、「アート」と「グローバル」は、ある意味で競争のルールをそういった地域固有のものに紐つけること無く価値のあり方を普遍化しようなんて思いも感じとれるように思います。一方、「国際化」は、土地固有のものはそのままにお互いの違いを確認し認め合う、そんなイメージでしょうか。
 現代美術がアートシーンの主役となる中、地域と結びついたアートイベントが現代美術とリンクする形で行われるようになりました。アートを使った地域興しも行われています。

 世界の中での日本、グローバル化が行われたからこそ、ローカルが再び注目されることもあるように思います。「日本」と国の名前のついた絵画、それがたとえ定義しにくい存在であったとしても、この「日本画」という言葉を手がかりにこの国の「伝統としたい事柄・美意識」を見直すことは意味があるのではないでしょうか。それは国としての競争力を確認することにもなるでしょうし、独自の魅力をより高める手がかりにもなるように思います。

※展覧会開催前、展覧会紹介にかこつけて最近思っていることをまとめてみました。^^; 展覧会自体の紹介は、拝見後加筆予定。
何故展覧会前に記事化しているのかというと・・・・・・

<見て!見て! 風呂敷原画展・ワークショップ成果発表展>
ふろしき×原画=オリジナルふろしき

上記が併せて展示されることが急遽決まったからです。

<<会場:はなとり展示室 6 月に開催した、ふろしき原画展 WS「原画/日本画の伝統技法に挑戦! 水の記憶―時を包む」のワークショップ参加者の 成果発表展。参加者が挑戦したふろしきの原画づくり。水と和 紙、墨の豊かな表現をご覧ください。あわせて、原画から出来 上がったオリジナルふろしきによるふろしき包みもどうぞお楽し みください。
特別出品:ワークショップ講師
日本画家 森山知己氏「水の記憶2016」 5点>>華鴒大塚美術館展覧会紹介資料より