展覧会案内・感想

2017年08月17日

 色づく季節
色づく季節 展 ちらし表

色づく季節 展 ちらし表
 井原市にある華鴒大塚美術館で「色づく季節」展が開かれています。平成29年8月11日(金)〜10月1日(日)休館8月21,28,9月4,11,19,25日 開館時間9時〜午後5時 ただし入館は4時30分まで

 館蔵品を中心とした展覧会。県西部に位置する笠岡市立竹喬美術館と華鴒大塚美術館。どちらも我が家からそれなりに距離があり、せっかくのことと、この2館をセットで回る事が多いのですが、どちらも日本画を展示の中心としていることもあって、タイミングによってはこの2館の展示で興味深い比較ができることになります。今回は人物表現、またある意味で掛け軸と額装の表現、構図の変化について楽しむ事ができました。

 小野竹喬と同時代を展示の中心とした竹喬美術館に対して、華鴒大塚美術館はより広い時代を扱います。場合によってはほぼ同時代の展示ばかりともなることもあるのですが、時に微妙にずれて、今回のように竹喬より一世代後の作家たちが多い展示の場合、扱うのが同じ日本画ということもあって、画題は同じながら表現手法の違いが際立つことに成るのです。それは主題の扱い、縦長の軸装画面なのか、西洋的な矩形の額装かでも大きく変わります。なかには額装表現を取り入れた軸装表現をみつけられたりするのです。

 西洋矩形のもたらした構図上のそれぞれ、そしてそれまでの余白、空間意識との折り合いの付け方。西洋教育が基本となった今とは違う何かを探す手がかりとしてこの二館の展示を比較できるのも「日本画」を学ぶ上でとても有用なことのように思います。


 この展覧会のあとには華鴒大塚美術館として初めて現代作家を扱う企画展が予定されているとか・・はたしてどんな展示に成るのか楽しみです。