展覧会案内・感想

2020年03月22日

 京都の日本画 ー大正時代を中心としてー
京都の日本画 ー大正時代を中心としてー展チラシ表

京都の日本画 ー大正時代を中心としてー展チラシ表
 笠岡市立竹喬美術館で  京都の日本画 ー大正時代を中心としてー が開催されています。2020年年3月14日(土)〜5月10日(日)開館時間 9:30〜17:00 入館は16時30分まで 休館日:毎週月曜日(ただし、5月4日(月・祝)開館・5月7日(木)休館)

 村上華岳作「牡丹」が展覧会チラシの表です。見るところ掛け軸でしょうか、絵の大きさは色紙程度、もしかしたら一回り小さいかもしれません。「京都の日本画」、ましてや大正時代を中心ですから、竹喬美術館お得意?の国画創作協会出品作家の作品が並んでいるに違いありません。

 チラシ裏に掲載されている榊原紫峰の「赤松」もなかなか雰囲気があります。竹喬作品の「梅雨の頃」も私の好きな感じです。

 いつもどおり・・・・かな・・・・大きな期待なく訪問しました。

 初出品作品が結構あり、また大きな作品も並んでいます。C展示室の戸田北遙の「群蟲図」、以前一番奥のD展示室にかかっていたときとは全然違って見えました。間にガラスが無く、絵肌を直に見ることができるのも嬉しいところ。

 喜多川玲明の「白鸛(ハッカン)」の描写に、<(以前、私自身も描いたことがあるので、)こういった濃度の描き方もあるのか・・・>と興味深く覗き込んだりしました。

 全体を見て感じたのは、とにかくゆったりとした時間の存在です。描こうと見る対象との間に流れる時間、描く折に使った時間です。我が身に照らし合わせて、こうした時間を今作ることの難しさを思うのです。華鴒大塚美術館の「春想う」展の紹介で触れましたが、大正から昭和の時代の変化は費やす時間の違い、スピードアップ。もちろんそれは平成、令和と続きます。

 ただし、華鴒大塚美術館の展示作品で見られるそれは、確かに早いと言っても何らかの基準時間のようなものは守られているのです。それこそが日本人の自然観に繋がるのではないか。日本画という言葉に意味を与えるおり何らかのヒントになるのではないかと思うのです。