Collins  75A-2
1951年の発売のようです
1.5MHzから30MHz AM/CW アマチュアバンド専用受信機で、559W 318H 338D 重量約26Kgあります(巨大です!)
アマチュア無線用となっていますが、発売当時一体いくらしたのでしょう・・・$420 という情報があります、1$が¥360の固定レート、大卒初任給が¥5〜6,000の頃です
相方の送信機としては、32Vシリーズ・・・32V-3の時代でしょうか
この時代にあっては、説明書に、SSBという表現・記述はありません(出てきません)
ダイヤル展開
160−15mバンド
  ダイヤル1回転当たり100KHz
  1KHz/1目盛
11−10mバンド
  ダイヤル1回転当たり200KHz
  2KHz/1目盛

VFOシャフトにダイヤル・スケールが直接取り付けられており、それ以上の減速機構は持っていません
本機の構成
RF1段増幅、IF3段増幅のスーパー・ヘテロダイン受信機です

1stIF:1.5〜2.5MHz  455KHz

1stIF:3.2〜21.8MHz  2.5〜1.5KHz
1stIF:26〜30MHz 5,455〜3.455MHz
2ndIF:いずれも455KHz

PTO周波数:2.955〜1.955MHz 1MHz巾
お判りでしょうか
26〜30MHz時は、PTOの発振周波数の2倍を使って、バンド幅2MHzを得てあります
従ってメインダイヤルの読取解像度は、1/2の2KHzとなります

2ndIFである455KHzは3段増幅、その後検波です
メカニカル・フィルタの採用はなく、基本は集中IFTの採用で、IF段の頭には、クリスタル1枚のフィルタ(帯域幅4KHzから200Hzの5段階切替)が用意されています
またIFリジェクション(Tノッチ)は、50db以上と

感度表記は、S/N6dbある帯域内の2μVの信号で、オーディオ出力が1W得られると


改めて、本機は
1stIF:
 3.2−21.8MHzまでは、 2.5−1.5MHz
 26.0−30.0MHzまでは、5.455−3.455MHz
2ndIF:455KHz
のダブル・スーパー・ヘテロダイン方式です(1.5−2.5MHzは、シングル・スーパー・ヘテロダイン)

周波数可変のBFOを持ちますが、プロダクト検波の採用は、まだありません

7バンドで、1.5〜30MHzをカバーします
160m:1.5〜2.5MHz
80m:3.2〜4.2MHz
40m:6.8〜7.8MHz
20m:14.0〜15.0MHz
15m:20.8〜21.8MHz
11m:26.0〜28.0MHz
10m:28.0〜30MHz
PTOダイヤルひとつで、RF段、1stIF段のチューニングを取る、コリンズ伝統となったメカニカルチューン採用です

ダイヤル読取り精度
100等分してあるダイヤル目盛から
160−15mバンド:1KHz
11−10mバンド:2KHz

整流管、定電圧放電管を含み、全体で17球で構成されています
100KHzマーカーはオプションです
ナローバンドFMの検波器もオプションで用意があったようです

IF3段増幅に、増幅型のAGC・・・AGCもよく効くものと想像されます

VFOは、「70E-12」というPTOです
オシレータとバッファアンプがひとつに組まれています
発振周波数:1.955−2.955MHz シャフト1回転が100KHzというもののようです
11−10mバンドに関しては、2逓倍した周波数・・・3.910−5.910MHzを使用してあります
通電して見るところまで、手が回っていません
ここでは、暫定的ですが見た目だけのご紹介です(2023.09)
  コリンズと聞けば、メカニカルフィルタ搭載だろうと思われがちですが、この時代というか、本機は、メカニカルフィルタの採用はありません
クリスタル一片によるフィルタの採用です
6db通過巾について、200Hz〜4KHzまで5ステップ
フェージングVCがパネルに出してありますので、リジェクションノッチの調整は細かくできます
あとは集中IFTとの組み合わせとなります
通常のノイズリミッタに加え、凝った(CWに特化した)ノイズリミッタ回路が設けてあります
シャーシ上面を真上から写したもの
中央PTO左のシールド部は、RF部です
硬質アルミシャーシですので、鉄シャーシのような錆は生じていません
シャーシ上面をフロント側からやや角度をつけて写したもの
左上のGTソケットは、100KHzマーカーオプションの取付ソケットです
シャーシ上面をリア側からやや角度をつけて写したもの
リアの様子
オリジナルのアンテナ接続端子は、右の3P端子だと思います
右端のN-Rは、前オーナーの手で、新たに取り付けられたものと思います
左の2個の端子板
1.スピーカー接続
2.スタンバイ・ミュート
ダイヤル読取り精度:1KHzをこの時代に実現・・・当然、安定度もそれに見合うでしょう
当時の日本では到底作ることのできなかった設計内容の受信機・・・US(コリンズ社)の技術レベルがいかに高いかを知らしめる受信機です
こちらは、大型ではありますが、なんとか持ち歩きはできますので、ある程度真面目な動作が得られるところまでは、手を付けたいと思っています(状況によっては、見た目のご紹介レベルで終わってしまうかもしれません)
     2023.09  JA4FUQ

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