AM時代 VHFの雄 AMECO | ||||||
1950年代後半から、70年代によく見かけたブランドです 直近では、PT-2、PT-3など、受信用プリアンプで、この『AMECO』ブランドを目にした方もいらっしゃると思います 1960年代の代表的な製品から 送信機 TX-62 関係して受信コンバータ をご紹介します 製品としては、アルミシャーシ・ケースを採用し、構造はしっかりしており、少ない構成部品で最大の効果を得ようとしている様子を、各所で垣間見ることが出来ます アマチュアライクで、とても好感が持てる設計の製品です 国産のTRIO TX-26、VFO-2 あたりと比較すると、技術の差、得られる性能の違いが判ります VFOをひとつの例に AMECOでは、逓倍せずコンバートして、24〜27MHz台を得ます TRIOでは、3逓倍して、24〜27MHz台を得ます 単純比較でも、ドリフトにおいて、AMECOはTRIOの1/3となります |
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50/144MHz帯 2バンド送信機 CWで最大入力75Wの、アメリカン・ノービス級向けのCW/AM送信機です AMでは、多分75W入力は困難かと思われます(CWの半分程度かと) AC電源内蔵にもかかわらず、非常にコンパクトです 8MHz台のFT243クリスタルを使用 50MHz帯は6逓倍 144MHz帯は、なんと18逓倍です ※VFO-621からは、2逓倍、6逓倍です ファイナル管は、7984という当時最新の175MHz以上でも使える車載を意識したコンパクトロンです 構成は、極めてシンプル OSC・x3/6GK6 x2/6GK6 バッファ/7868 終段7884 => 50MHz帯 OSC・x3/6GK6 x2/6GK6 x3/7868 終段7884 => 144MHz帯 変調は、スクリーングリッドを使ったクランプ管変調 興味深いのは、ドライバ7868の使い方 ひとつよくわからないのが終段管の傍からリアパネルに向かっている銅線 どう見ても後付けされたものです 中和ロッド風にも見えるのですがそうではありません なにか出力を検知するために前オーナーが追加したものでしょうか??? 天板にあるスケールファンも、前オーナーの手で取り付けられたものです 細く立っている2本のもの 抵抗器です、一見ブロック・コンデンサに見えますが・・・ |
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50/144/220MHz帯に対応した、TX-62用純正VFO こちらもなかなか興味深い設計です OSCはトランジスタ、真空管のバッファアンプを通して、19.9MHzのクリスタルで得た信号とミックスさて、24〜27MHzを得るようにしてあります トランジスタは、当時最新の2SC185が使われています(当時、マイクロディスクトランジスタと呼ばれていたと思います) OSCはLC回路で、4〜7MHz(3バンドに分割)、19.9MHzとMixして、24〜27MHzを得ます 50MHz帯の例ですと、 50.0MHzを得るには、LCで5.10MHzを発振すれば良いということになります (5.10MHz + 19.9MHz) x2 = 50.0MHz TX-62側では、水晶発振段はVFO接続時には、バッファ動作となるようになっています VFO最終のバッファアンプに使ってある真空管の余っている3極管部分を使ってナローバンドFMが出せるような改造方法もマニュアルの最後に記されています 以上は、Web上にあったマニュアルから得た知識で、ここから現物を手に・・・ どうも本機には、もっと設計の古いモデルがあったようで、手にしたものは先に記したプリミックス方式になっておらず、トランジスタも2N706の一発による自励発振・・・すなわち3逓倍して25MHz前後の出力を得る方式のものでした 実用を目指している訳ではないのですが、技術的興味からすれば、ちょっと残念な気がします・・・ やる気になれば、19.9MHzのクリスタルを入手し、1Trの発振回路を追加し、トリプラをバッファ動作に変更・・・割と簡単にVerUpできそうです(1Trによるクリスタル発振回路がないだけで、真空管の構成は同じ) 参考VFO:Hallicrafters HA-5 |
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50MHz帯用受信コンバータ 双三極管6ES8を使用したカスケード方式のRFアンプに、5極管ミキサー・・・クリスタル発振は3極管部でというシンプルな2球構造のコンバータで、50MHz帯をBC〜30MHzに変換します 変換クリスタルの選択/本機には22MHzのクリスタルが装着で、28〜32MHzに変換できるモデルです ユニークなのは電源供給 ひとつの電源ユニットで差し替えることで複数のコンバータの使用を可能としています 144MHz帯用にCB-2という製品があるようです こちらは、クリスタルを選ぶことでBCラジオから、50MHz帯受信機まで対応できる設計のようです ゲインが取れないのでしょうか、CB-2ではカスケードアンプの後に5極管のアンプが入っています アンテナ(送信機)、あるいは受信機との接続は、昔懐かしいBCラジオアンテナ接続プラグを使用します(すべてのコンバータに共通) |
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50MHz帯用受信コンバータ こちらは、局発(6J6)以外、ニュービスタ6DS4/6CW4が採用されています(RFアンプx2、MIx1 計3本) 同じシリーズで、144MHz帯/220MHz帯用のモデルがあります このモデルには、RFゲイン調整VRがあります CBシリーズの上位バージョンかな? Hallicrafters SX-101Aなどコンバータ入力が用意された受信機を意識したのでしょうか、30.5MHz〜34.5MHzに変換するクリスタルの用意もあるようです 構造、配線とも上手くできています 余談ですが、銅メッキされたシャーシは、まるでDRAKEの製品を見ているようです |
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受信コンバータ専用電源 ヒーター6.3Vと、DC125Vを得る簡単なプラグ接続方式を採用したコンバータ専用電源装置です 電源共有ということで、ユニークな設計となっています 使用には、電源とコンバータ本体を連結します 接続(連結)は、US(GT)プラグ・ソケットを利用してコンバータ本体に給電します 最後に、コンバータと電源を並べて写します |
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左から CB-6 CN-50 PS-1 です |
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2020.09 JA4FUQ |
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