Tentec  Argonaut505

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US テンテック社の70年代の製品
QRP(5W)トランシーバーのパイオニア的存在 初代Argonautです
縁あって入手
頑張って、元通り(に近い)動作をするところまで手を入れました
VFOは、コリンズ(PTO)・ヒースキット(LMO)もどきのμ同調タイプ
意外と安定度も良いですし、バーニア機構のおかげで選局もスムーズです
同調(プリセレクタ)もスラグチューン(μ同調)で、きちんと合わせないとイメージ混信がひどい
感度は、十分 
受信時の消費電力は12V 100mA、PLを点灯させると300mAに!
送信時で最大1.2A程度
アナログチックなところが良いです!!
見た目にも、聞いた耳にも優しい感じが一杯します

実戦機にはなりませんが、歳のせいか?可愛らしい彼らです


こうやって重ねてみると、Atlas210xはずいぶんとコンパクトですね

それぞれ特徴(独自の設計思想)を持った無線機です
   2012.03   JA4FUQ
余談ながら
この手の超シンプルな(アナログ)マシンと、最近の重装備の(デジタル)マシンを並べて使って気付くことがあります
それは「聞こえる」ということについては、大きな違いがないということ
抑圧に強い、あるいは混信に強い(除去機能が素晴らしい)!とかいうこと、もちろんこれらも受信機に求められる基本性能には違いありませんが、人間が耳で聞くと言う最終条件の中で、聞こえる聞こえないに大きな差がないことに改めて気付かされます(楽に聞くことができるかどうかの違いだけ!)
人間の耳って素晴らしいと言うべきなのかな!? それとも使っている人間がスロー・ライフに漬かってしまったのかな!?
もっとも、使用するロケーションがイナカ・・・近くに多くの無線局の開設はないし、市街地ノイズの影響も少ないという点にあるのかも知れません

十数年放置後に通電すると、やはり?トラブル発生
その対応と合わせて再度調整し、その結果をレポートします
1粒で2度おいしい・・・遊ばせてもらえます
 2025.11
 
10数年ぶりに通電したら壊れた!
通電最初は、ポツッとかスピーカーが鳴っていたのですが、全くうんもすんも言わなくなりました
AFパワーアンプ終段Trがコンプリ2つともE−C間がショートしていました
当時の部品は、簡単に入手できません
eBayなどにはあったのですが、放熱器がカシメてあり、そのまま交換とはいきません
使えそうなTrを探しましたがジャンク箱からでてきません
送信はすれど、SSGの信号も全く受信できません
写真は、今回の修理(改造)で取り外した部品
実用本位でIC化したのが、この写真です
結果は、極めて良好でした
色の白い基板が追加した1.1Wオーディオアンプ
スペーサを使って、2段に取り付けています
元のAF基板から最低の接続です
・送信時ミュート
・CW送信時のサイドトーン
・+/−電源
左下に見える半固定VRは、サイドトーン音量調整用です(底板に穴が開いていて、指で調整可能)
右に見える基板は、IFユニット
ゴム紐が伸び切って、ダイヤル・カーソルが正しく移動しません
ダイヤル・カーソルは、VFOダイヤル軸にダイヤル糸を巻き取るだけ・・・どうやって戻す? ゴム紐で引っ張って、です
金色に見えている部分が、交換したゴム紐です
バンド切替のSWの連動も紐かけです
特徴の一つは、VFOの使い方です
VFO自体は5〜7MHzを発振するPTOタイプ
VFO上蓋には、バンド毎に発振周波数調整用の穴が開けられています
その周波数の範囲と利用が特徴的で
各バンドごとに、発振周波数を切り替えて使用

詳しくは下段で
そのVFOの内部です
コリンズ・ドレーク同様のスラグチューン方式が採用されています
この写真では、上下方向に動きます
アルミダイキャストのフレームに、がっちり組まれています
バンド切替SWが組み入れられています
ユニット化された基板で構成されています
メインシャーシを間にしてピンソケット接続です
この外したコントロール・ユニットの下に今回問題を起こしたAF基板があります
そのAF基板は、長いビスでメインシャーシに取り付ける構造で、新たな基板の取付には不都合です
ご覧の様にスペーサを用意して、新しいAF基板の取付を可能にしました
見えている基板は、SSBジェネレータ・ユニット
RF同調部
VFO同様に、スラグチューン方式が採用されています
FT-101と同様)
長四角のアルミ板全体が上下に動き、取り付けられた5個のダスト・コアが上下します
RF同調機構部のシャーシ下側
トラッキング調整部です

上側3列の左右は、受信調整
真ん中が送信調整
下側は、送信ドライブ調整
いずれも上から3.5NHz帯→28MHz帯で
タイト・トリマが採用されています
送信ファイナル部は、こんなところに
アルミ板は、ヒートシンクです
本機は、IFが9MHzのシングル・コンバージョン方式が採用されています
Mix一発でIF周波数に変換ができるよう、VFOの使い方に工夫があります
5.0〜7.0MHzの範囲を発振するVFOなのですが、バンドによって発振周波数が異なります
SWAN製品ではVFOは、変換のために高い周波数を一発で発振させています(スプリアス的には有利、ドリフトには問題がある)が、本機では逓倍によって必要な周波数を得ています
VFO発振周波数 逓倍数 Mixへの出力
3.5MHz帯 6.25〜6.5MHz   12.5〜13.0MHz
7MHz帯 5.333〜5.5MHz 16.0〜16.5MHz
14MHz帯 5.0〜5.5MHz (なし) 5.0〜5.5MHz
21MHz帯 6.0〜6.25MHz  12.0〜12.5MHz
28MHz帯 6.333〜7.0MHz 19.0〜21.0MHz
3.5〜21MHz帯にあっては、ダイヤル1回転あたり、おおよそ15KHz
100KHz幅をバーニア機構で1/6に減速して、という使い方です(FT-101と同様)
28MHz帯にあっては、おおよそダイヤル8回転で500KHz、約65KHz/1回転です

スラグチューンのRF同調をきちんと取らないと、スプリアスに合わせてしまうことにも・・・
QRPだから出来た手法かもしれません(同じ機構のFT-101も同様の問題がある、現行電波法規定にマッチしない)

WWV(15MHz)受信で、ダイヤル周波数校正
21MHzバンドのみですが、RF同調ツマミで40〜80mの間でチューンを取ることで、
21.000=15.000MHzの周波数校正ができます
VFO基本発振周波数を使う・・・です

ダイヤル・リニアリティや周波数安定度なども、逓倍により影響を受けます
長時間のQSOでなければ、運用に実用上問題ない範囲かと思われます(周波数読み取りは5〜10KHzの幅というか誤差がある)

9MHz IF
クリスタル・フィルタは、4ポール構成で、
−6db帯域幅 2.4KHz
シェープ・ファクタは、1.7(6/50dB)という仕様です

AGCは、オーディオ検出型
Sメーター表示
15μV入力で、3.5/7MHz帯では、S8程度
14〜28MHz帯では、S9程度を示します
Sメータの振れについては、零点調整があるのみです

送信メーター表示
進行波と反射波を切り替えて表示できます
すなわち、SWR計内臓です
終段がトランジスタということもあり、移動時の仮設アンテナなどを意識したものと思われます


得られた結果です
ローバンドの結果が、ハイバンドに比べイマイチの結果でしたが、スペックはクリアしています
送信:2.5W以上 受信:0.5μV信号ON/OFFで、S/N10db以上
(14MHz帯以上の送信出力は、スペックよりはるかに大きい)
送信出力 受信感度 信号のON/OFFのより
S/N10dbが得られる信号強度
3.5MHz帯 3W  0.5μV
7MHz帯 3W  0.5μV
14MHz帯 5W  0.3μV
21MHz帯 4.5W  0.3μV
28MHz帯 4W  0.3μV
DC12.5V動作時 50Ω負荷
送信時に流れる電流は、おおよそ1Aで、バンドごとに大差はありません

QRP運用に向けた、いろんな工夫のある極めてアマチュアライクなトランシーバだといえると思います

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