YAESU FRDX400
私個人が、一番熱を入れてON−AIRしていたときにお世話になったマシンで、そこから半世紀経った今、つい手にしてしまいました
現用当時は、写真のようにYAESUの規格QSLカードを入手して発行していました
この頃は、まだYAESU純正のスタンドマイクはなく、AIWAのDM-47がモデルとして写っています
下段規格QSL FT-200、FTDX-401のものには、純正としてYD-844 スタンドマイクが写っています(もしかしたら、プリモ UD-844かも)


この頃のYAESUには、シリーズ毎に規格QSLカードの用意がありました
ご覧のように裏面は規定印刷されたもので、表面のみ自由に設定できたものです
出てきたものを撮りました  FT−200  FT−101  FTDX401 各シリーズのものです
裏面は、400ラインの・・・そう、当時の私のQSLの裏面です
世界中のHAMの方に利用があったと思います(この規格カードを利用したQSLが海外より届いています)
カード転送について、当時は確か2円の海外用転送料金(切手風のもの)を貼ってJARLに送っていました


お話を戻して、このFRDX400ですが、確か1967年の発売だったと思います
AMを脱した69年から72年頃まで、親のすねをかじって一番熱を入れてアマチュア無線を楽しんでいた頃に、お世話になった受信機です
FLDX400と言う送信機と、トランシーブで使用していました
基本構成は、VFOはトランジスタ化されたものの、他は全て真空管という内容です
周辺としては、100/25KHzマーカー、50/144MHzコンバータは、トランジスタ化されていて、特記すべきはコンバータのTOPで、FETが採用されています(50M/シングルゲート、144M/デュアルゲート)
これらのため、9Vの安定化電源が内蔵されています
FL/FR100Bという先の経験が活きているのでしょう、VFO周りなど、機械的には丈夫な設計です(少なくとも、当時のTRIO等と比べると遙かに!)
余談ながら、当時のFLDX400のVFOは旧シリーズ同様の真空管方式・・・安定度はイマニ(イマイチ以下)で、予備的な使い方でしか実用出来ませんでした(トランジスタ化されたVFOの安定度に、感心したものです)
当時使用していたのは、初期のスタンダード(50KHzダイヤル、規格QSLカードに写っている形状ズバリ/オプションだらけのベース・モデル)で、色々つっついて遊ばせてもらい、最後は元の形をとどめることなく処分しました(捨てました!)
新たに入手できたのは、最終モデル(1/6バーニア機構を組み入れたFT−101風の100KHzダイヤル)のスーパー・デラックス・・・フル・オプションのものです

YAESU
この頃が、会社として一番元気が良かった時期かもしれません(会社規模拡大の時期)
FR100B/FL200Bシリーズの後継である、この400ラインの発売(トランシーバ型は、FTDX400)
そして大阪万博の年 1970年には、FT−101を発売
この後のアマチュア無線界は、Made in Japan が席巻してしまうことになりました
フロントパネル左手前の基板は、FIX-CHユニット
手前左は、6m(左)/2m(右)のコンバーターユニットが並んでいます
中央奥の基板は、FM検波ユニット
6/2mコンバーターユニット下奥にのぞいているのは、100/25KHzマーカー・ユニット
保管状態が良かったというか、年期のわりに非常にきれいです
奥に見えるのは、メカニカルフィルタ群です
CW、SSB、AM、FMと4本用意されています
CW用のナローフィルタについては通過ロスが非常に大きい・・・国際製メカフィルに生じる経年変化、絶縁スポンジの劣化等が考えられます
時間があるときに、取り外して分解・メンテをしなくては・・・です

フィルタ群右のシールドに囲まれた部分は、455KHzTノッチ・フィルタ部です

全体的に保管状態は良いものです
それでも、クリスタルの中に発振しないものがあったり、アクティビティの低下からか発振出力の低下がみられたり、メカニカルフィルタの例のように、部品個体の経年変化による劣化があったり、これはお決まりでしょうがバンドSWやボリュームなど接点の接触不良など物理的な問題、そして調整ずれ(変化)の発生など、規格通りの動作を得るにはそれなりのメンテナンスが必要です

最近の無線機では、考えられないことですが、この頃の製品にあっては、シールドは外ケースが兼用しているようなところがあり、ケースにちゃんと納めないと不要な外部信号を拾ったり、RF動作が不安定になったりする症状が見受けられます
微妙な感度調整などについては、当然問題になります

それなりに実用に耐える「受信機」になりました
50年近く前のものが、今も実用出来る・・・元がしっかりしていればこそのことかも知れません

鉄シャーシというところは、大変残念です(US製品は、そのほとんどがアルミ・シャーシを採用)
基板もベークライト・・・この時代の海外物は、ほとんどガラス・エポキシ基板の採用なのですが・・・
国産の古いマシンにあまり興味が向かない理由が、どうしても2ndマシン的設計であり、先に記した耐久性の低いところにあります

真空管の使用について
コリンズ製品もそうですが、受信機については適切なB電圧がかけられているケースがほとんどです
真空管の使い方については、トランシーバの場合、高いB電圧がかけられているケースが多く見受けられます
使用本数を押さえたい => 目一杯、すなわち少ない本数でゲインを稼ぎたい、あるいは送信部を含む電源の都合などあるのでしょう
従いまして、トランシーバとは異なり、受信機に使ってある真空管の寿命は長い、というのが一般的です

本気で、メンテしました
その結果、以下の結果が得られました
S/N10dbが得られる信号強度
モード:SSB 
    RF信号ON/OFFによる
1.9MHz   0.11μV
3.7MHz   0.13μV
7.1MHz   0.18μV
10.1MHz   0.15μV WWV
14.1MHz   0.15μV  
21.1MHz   0.15μV  
27.1MHz   0.18μV CB
28.1MHz   0.18μV  
50.1MHz   0.3μV  
144.1MHz   0.3μV  
これでFR−DX400 スーパーデラックス 復活です(CWフィルタの通過損失大の件は、宿題!)
現在でも十分通用する結果です
50年前のものが、今も実用出来る・・・元がしっかりしていればこそのことかも知れません

鉄シャーシというところは、大変残念です(US製品は、そのほとんどがアルミ・シャーシを採用)
基板もベークライト・・・この時代の海外物は、ほとんどガラス・エポキシ基板の採用なのですが・・・
国産の古いマシンにあまり興味が向かない理由が、どうしても2ndマシン的設計であり、先に記した耐久性の低いところにあります

真空管の使用について、コリンズ製品もそうですが、受信機については適切なB電圧がかけられているケースがほとんどです
真空管の使い方については、トランシーバの場合、高いB電圧がかけられているケースが多く見受けられます
使用本数を押さえたい => すなわち少ない本数で必要なゲインを稼ぎたい、あるいは送信部を含むが故の電源都合などあるのでしょう
従いまして、トランシーバとは異なり、受信機に使ってある真空管の寿命は長い、というのが一般的です


お気に入りのSN16913Pを使った検波基板
最後まで気になる改善点は、検波にあります
自身でメインで使っていた当時も気になって、IF結合レベルを疎にしたり、別のプロダクト検波を試したり、オーディオ検出の増幅型AGCにしてみたりと、対応を試みていたのですが、特に最近のSSBの復調音に慣れた耳には、ちょっと我慢なりません(特に信号が強いケース)
ここでは無駄な抵抗?は止めて、いつもの?SN16913Pによる検波回路の組み込みがベストそうです
このICの入力ピン(2番と5番ピン)の使い方ですが、BFO/IF信号の各レベル/インピーダンスなどで、結果の良い方の接続を採用します(違いがあります)
また、IFとの結合は、少し「疎」にするのが良さそうです
そして、RF〜IF部にかけてのシールド強化、これが徹底されると、例えば7MHz帯あるいはVHF帯ですが、もう少しS/Nの向上が得られると思われます 
2021.07  JA4FUQ

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