JRC NRD-535
JST-135 の受信S表示動作を、JRC製の別のモノで確認したい・・・ついに、受信機を手にしてしまいました
『槌より柄のほうが重たいお話』にも、なりかねません・・・
同じ時期のNRD-525にしようかとも思ったのですが、ここはJRCとしてアナログ最後のモデルを選びました
アナログ重視?で、フル・オプション・モデル(535D)は希望せず、ECSS-UNITと、300Hz/3KHzのオプション・フィルタ 2個が追加された535を入手しました(535Dと比べると、BWC-UNITが入っていないだけ・・・かな)

1990年から1998年頃まで販売されていたようです(NRD-535Dは、フル・オプション・モデル)
330W × 130H × 287D 約8.5Kg
JRCとしては、アナログ方式最後の受信機となりました(NRD-545は、DSP搭載)
本機の構成ですが、
  アップ・コンバージョンタイプのトリプル・スーパー・へテロダイン方式(FM以外)を採用  
    1stIF:70.4455MHz 2ndIF:455KHz 3rdIF(FM以外):9KHzと、DSP直前の雰囲気です
  0.1MHz 〜 30MHz をカバー
  AM、USB、LSB、CW、RTTY(オプション)、FAX、NarrowFM に対応
  AC電源(100/120/220/240V切替)を内蔵し、DC13.8V供給でも使用できます
  電源は、スイッチング方式で、コンパクト化されています
  また、232cインターフェイスを標準で内蔵しています

  混信除去能力としては
  2ndIFフィルタ/455KHzに依存します
  オプションのBWC(535Dには標準搭載)も有効です(AM、FMモード以外)
  ノッチ・フィルタとIFシフト(パスバンド・チューニング)は、標準で付いた機能です
  オプションの(今回は内蔵してあった)ECSS/同期検波とでも言うのでしょうか、AM受信時の
  ビート混信に有効な機能ですが、日中の受信では必要を感じません
  が、遠距離が開けバンドが混雑し、フェージングが大きくなる夜間の受信時に於いては、この機能は
  確かに有効です

 構成は、ハード面を含め、JST-135 と酷似しています
 ケースなどは、色を濃くしただけかと思われます

さて、今回のNRD-535ですが、いわゆる普通の使用状況下にあったものと推察されます
簡単な通電テストで、電気的な動作については問題無さそうです
ただ、しばらく使われていなかったようで、押しボタンSWの反応の悪いものが散見されました
こうなると、分解清掃しかありません
いつもの、お掃除がスタートです
本体/マザーボード側のと接続は、電源を含めわずか4系統のコネクタ接続だけです
一昔前なら、ずいぶん多くの配線が必要だったことでしょう
今では、筐体内の制御も通信です
ここまでの分解も、上下ケースを外し、フロントパネルを止めているビス2本を外すだけです
分解には、この手のソケット・レンチが便利
ここを、ラジオ・ペンチなどで代用しようとすれば、手を摘めるかも知れないし、ツマミ周囲のパネル部に傷を付けてしまうことにも、なりかねません
裏から基板をパネルに止めているビス4本を外します
本体パネルを分解したところ
ダイキャスト・フレーム/パネルを使ったもののような重厚感はありません
一方で、メイン・ノブは、ウェイトを付けた重厚感ある仕上がりになっています
そのため慣性が大きく、ちょっとのことで大きく周波数が変化することになります
何か回転抵抗を増やす工夫・・・フェルトかなにか、ツマミとパネルとの間に入れるなどしてみる策は、必要がありそうに思います
ツマミは、ヘキサ(イモ)ネジ1本で留まっています
フロント・パネル裏にある基板
ここにあるボタンSW・・・その昔の電卓キーのような小型のものですが、接触不良が散見されたため、今回はアルコール洗浄しました
このSWであれば、一般パーツとして入手も出来そうで、いざとなれば交換です
ダイヤル・エンコーダー以外、全て基板に乗っています

BWCユニットとRTTYデモジュレータが
追加可能
本体内部を上から
JST-135同様の構成(眺め!)です(この部分だけ見ると、見間違ってしまいそう!?)
こちらは、最初から232c基板を内蔵しています
標準で実装されているのは、
Inter用
 国際のメカフィル MF-31C 帯域幅2.4KHz
Wide用
 NTK製セラミック・フィルタ CLF-D8 帯域幅?
  資料では、CLF-D6またはD6Sになっている
追加されたオプション・フィルタは、
・ナロー YF455FM  帯域幅300Hz
・AUX  YF455G  帯域幅3KHz
の2本です
さてさて、この受信機を入手した一番の理由、JRC的な信号入力に対するSメータの振れ方の検証
JST-135の様子との比較を望んでいました
こちらは、リアル・メータではなく、カラー液晶の疑似メータですが、様子は以下の通りでした

信号入力電圧 Sメータ表示
 9dbμV
15dbμV
25dbμV
36dbμV
現状で、S9の設定がちょっと甘いかなくらい(7.2MHzでの計測)

JST-135 感度そのものは取れたように思われますので、IF関係(AGC/メーター・アンプ回り)を中心に、見直し必須です!(延長ボードの代わりを、本気で準備しなくては!)

中波より低い周波数帯の感度について、Drake SRR-4 の動作と比較することも、もう一つの目的でした
やっぱり、鎚より柄の方が重たい・・・!!!

本機のメイン・ダイヤル
軽く回りすぎ、慣性が大きすぎ! 目的のfに合わせにくいこと
元々テン・キー入力での使用イメージが強いのかも知れません
テン・キー設定 + Δf (ここをメイン・ダイヤルで) そんな使用をイメージしているのかなとも思われます
メイン・ダイヤルを回して受信周波数をスイープ、我々にとって一般的な受信操作をと言うケースでは、なにか回転抵抗を増やしてダイヤル・タッチを重たくしたい・・・そんな気になります

測定した受信感度の数値です

 230KHz: SSB/CW  0.25μV S/N 10db   AM 1μV S/N 12db ※27db
 520KHz: S/N 10db (変調のON/OFF) S/N 11db ※29db

 1.8MHz: SSB/CW  0.25μV S/N 11db AM 0.5μV S/N  7db ※21db
 3.6MHz: S/N 12db (変調のON/OFF) S/N 10db ※25db
 7.2MHz: S/N 12db S/N  6db ※20db
21.3MHz: S/N 13db S/N  6db ※23db
28.3MHz: S/N 12db S/N  6db ※19db
              ※SSB/CW同様に、30%変調をかけた信号自体のON/OFFによる

 いずれの数値も、製品スペックは十分満足しています(ここでは、厳しい条件で計測しています)

Drake SRR-4 中波より低いバンドの感度(動作)見直しです → 結果、Tr1本の交換修理になりました
2017.01  JA4FUQ

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