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さすがに古いものですから、まずは分解清掃から
フロントパネルが貧弱・・・ペラペラです
実際、大きな窓を開けている下部分には、しわが入っています
この化粧パネルは厚くしてほしかった、です
メータのサイズ違いからできる隙間を埋める黒シートの加工は、この時点で行います |
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フロントパネル・ダイヤルスケールを外したフロントシャーシの様子
糸掛けダイヤルの緩みについても、この時点で修正します |
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シャーシ下面
追加した電解コンデンサが写っています
容量抜けがあるのと、ドリフトが気になる
今回はスタビロ、もしくはZDを使っての中圧の定電圧化までは行いませんでした(その効果は十分ありそうです)
IF段のバイパスコンデンサなどはOILコンです
セラミックコンデンサに変えたいところ
AF段の結合コンデンサ/OILコンは、一つ交換しました(絶縁不良)
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シャーシ上面 リア側より
受信信号は、左上から下へ、そして右に進んで上に流れる構成です
電源トランスの上に見えるGT管が整流管 5Y3です
ANT入力は、M型のレセプタクルを追加しました
ヒューズホルダについては、ヒューズむき出しです! |
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ここのところ触ったギアで、最も手を取られたもののひとつです
1962年5月CQ誌にある回路図だけが頼りでした
多分ですが、この入手した受信機は一度も正常には動作していない、と思われます
RF/IFに採用の真空管、本来6BA6なのですが、すべて6CB6が刺さっていました
この2つの真空管、カソードPinと、サプレッサ・グリッドPinが反対です
サプレッサピンを直流的に浮かすとどうなるか・・・発振します(BFOの代わりに、この手が使われた一例:SX-140)
電源を入れ、RFゲイン調整ツマミを回すと、見事発振します
IF段プレートとIFTの接続が出来ていない箇所が一か所ありました
これでは受信できません
刺さっていた真空管の劣化が激しい・・・放送局が電電公社から出てきた廃棄品を使った可能性が高い
キットを組み立てたものでした
中古品の入手において、一度はきちんと動作したもの…完成品が一番でしょうが、元キットの入手時には注意が必要ということを改めて思い知らされた一件でした(いい勉強、頭の体操にはなります!)
全部分解して最初から組み立てるまでの元気もなかったので、今回は対処療法の範囲にとどめました
Sメータは、非純正の横スケールのものが縦に付いていたので、縦スケールの9R59のメーターに交換しました(サイズが一回り小さいので、周囲に黒のシートを貼ることで隙間を隠しています)
メーター感度がオリジナルのものより高いので、シャント抵抗を入れました
細かいことを言えば、シャーシをひねると受信感度(S/N)が変わるなど、鉄シャーシを使った無線機にあるトラブルは全部持っていました
各種調整後、実際に稼働をさせてみて、
結論は、短波放送の受信に適しています
選択度も適当で、得られる音質も含めAM放送受信に向いています
なかなかの感度ではあります
スペックは、10MHz 3μV S/N=20db
以下、3μVの信号を受信したときの実測値
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1KHz30%変調ON/OFF |
3.5MHz |
20db |
7MHz |
19db |
14MHz |
20db |
21MHz |
19db |
28MHz |
10db |
【参考】14MHz 1μV入力時 S/N=13db
今のアマチュア無線向きには???
SSB受信をしようとしたら、スプレッドダイヤルと、BFOツマミの両方の手が離せない状態になります
本来固定であるはずのBFOツマミでもって、細かい受信周波数を変えるイメージです(選択度が良くありません)
7/14MHz帯にて、SSBの受信ができるところまでの確認はしました
CW/SSBモード時は、AGCはOFFが当たり前 プロダクト検波なしですから、かなりIF/RFゲインを絞ってやらないとまともな復調はできません
それでもSSB受信においては、S/Nが良くありませんが、これはこの時代の設計にあっては仕方ないことなのでしょう |