Electrovoice RME4300
1956年の発売
古すぎる?せいか、WEB上ではあまり情報が見つかりません

1.8〜2.0/3.5〜4.0/7.0〜7.3/14.0〜14.35/21.0〜21.5/27.0〜29.7MHz各アマチュアバンドに特化した高1中2(IF=455KHz)のシングルスーパー受信機です
この製品の時代までは、シングルスーパー方式で、プロダクト検波を搭載していないのが、受信機として普通の時代だったようです(AM/CWの時代、アマチュア無線用・・・各バンドを目一杯ダイヤル展開する方式で対応)
SSB対応/プロダクト検波は、オプションで対応となっています

6CB6 6U8
1/2
6CB6 6U8
1/2
6T8
2/3
6T8
1/3
6AQ5 5Y3
RF MIX
1st IF 2nd IF
検波・ANL
AGC
1st AF AF out       整流
6U8
1/2
6U8
1/2
OA-2
OSC BFO 安定化
以上の8球構成

あのエレクトロヴォイス社に、受信機というラインアップがあったことを、この受信機に遭遇したことで初めて知りました
そもそも、Radio Mfg.Engineeres.Inc(RME)と言う会社があったようで、Electro-Voice社の1事業として取り込んでいたようです(取説には、RME DIVISION・ELECTRO-VOICE・と言うような記載になっています)
余談ながら、ELECTRO-VOICEといえば、私はEVシリーズ・マイクロホンしか持っていませんでした!(あと、スピーカーがあるくらいくらいしか知りませんでした)
ほとんど情報がない中で、取扱説明書のコピーが付いていましたので助かりました

巾419 x 奥260 x 高260  重量12.6kg
受信モードは、AMとCWです
SSBについては、外部アダプタの用意があったようです(RME Model 4301:本機には、外部接続端子/入出力端子が付いています)
CWモードでは、AGCはOFF、BFOをON、BFOレベルはOSC回路のプレート電圧を可変、こういった構成になっています
この状態で、RFゲインを調整してSSB受信も出来ます(AGCは、強制OFFになっています!)
電源SWが、AFゲインボリュームではなく、RFゲインボリュームに付いている意味が、よく分かります
選択度の向上には、シングル・クリスタルフィルタ(フェイジングタイプ:3段切替)/その昔よく使われていた方式が採用されています
写真右の縦のシールドケースの中がそのものです
RF部は、ご覧のように頑強に作られ、かつしっかりシールドしてあります
また、配置あるいは配線についても、よく考えられています
構造からして、電源部、RF部、IF以降部と、きちんと整理されています
基本中の基本、ということでしょう

当時の日本製品(一例:9R42Jの頃、9R59の発売は、1960年)に比べ、感度/安定度/選択度・・・受信機の基本3S全てについて、一歩も二歩も先を行っています
日本が、なんとか追いつきたいとUSの後ろを追っかけていた時代です
この時代の混信対策と、BFOについて

選択度の向上策として、クリスタル1枚を使ったシングル・クリスタルフィルタ/フェイジングタイプ:3段切替が、採用されています

BFOについては、その周波数(ピッチ)と合わせ、注入レベル調整が付いています(BFOピッチツマミの下)
まだプロダクト検波が普及しておらず、通常のAM検波を使っての復調ですし、AGCもOFF
従って、BFOの注入レベルも受信の信号強度に合わせて調整するという全てが手動の時代です
が、最適な調整を行うことで、かなりの高感度が期待できます
手にした時点では、感度の低下とBFO周波数のズレがありましたが、一部真空管の交換と調整により、SSBもそれなりに受信できるようになりました(そうは言っても、当時のコツが必要です!)
この時代の受信機の不思議
いつも感じることですが、チューニングはダイヤルのバックラッシュほかその時代の性能、あるいは経年変化により面倒な(クリティカルな)ケースが多いのですが、いざ合わせてしまうと意外と安定度が良いものです
SSB/CWでも使用に耐えるくらいの安定度です
プロダクト検波も内蔵していない時代なのに・・・真空管かつシングルスーパーへテロダイン、それでもです
ここでは、メカがしっかりしているとしか評価が出来ません
この時代の「ものづくり」には、手間がかかっているということです
昨今のデジタル機器/技術とは、全く味の違ったアナログ製品/技術の世界です
2015.01 
Electrovoice プリセレクタ DB23
電源を入れると「RME」のロゴにバックライト(PL)が点灯、いかにもUSデザインです
右の電源SWツマミは、オリジナルではないようです
アンテナ入力 75Ω/不平衡  300Ω/平衡
出力は、150Ω/不平衡  300Ω/平衡
双三極管 6J6 3本 が使用されています(2段のRFアンプ+バッファ)
対応バンドは、3.5〜4.0MHz 7.0〜7.3MHz 14.0〜14.5MHz 21.0〜21.5MHz、 26.0〜30MHz、スルー回路を持っています(ダイヤル表示の通りです)
巾190mm 高さ125mm 奥行150mm と、コンパクトです

シャーシ裏側です
時代を感じるセレン整流器が見えます
整流管ではないところは、当時、最新方式かも知れません・・・
青色のセレン・・・どこかで見たことが・・・そう、GONSET G-66Bにも使用してありました

段間結合コンデンサですが、ご覧のように線をねじって小容量コンデンサとしてあります!

6dbから26dbゲインが得られる・・・そんな説明が書かれています
2016.11  JA4FUQ

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