鳥獣被害対策研修会に参加して(個人的な感想等) 平成15年 7月25日(金) 13:30 〜 16:45 岡山県真庭郡落合町 落合中央公民館大会議室 岡山県/真庭地域農林業広域連携推進協議会 主催 |
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行政担当者をはじめ、今日の会ではじめて野生猿の行動範囲とその数を知ったという方々も多数いらした 住民から苦情の連絡が入らないと、被害そのものも把握できていないと言った面も見えた また、ここ2年くらいで野生猿の被害が急増、一部地域ではイノシシの被害を上回る 山奥を開墾、結果として餌場が増え、繁殖数が増えた この中には、先人の知恵・・・・野生動物と人間との生活圏の境の工夫を無視した土地利用なども含まれるようだ また、人手がいないということで、追い払いができていない点も見逃せない 行政に何とかしてくれと言う農家の方が多い 犯罪は公が規制というか、善良な市民を犯罪から守るということは公は行うが、自然の生き物に対して、個人資産を守ると言うことを公がするはずはない(自然の営みは犯罪ではない!) 個人の資産は個人で守るしかない そのはずなのに、質疑応答では、個人単位というか個人中心での話が少なからずでた また、追い払いの自動化・・・接近警戒システムと爆音装置の連動とか、人手(自分たちに負担)をかけない対策法の導入を求める声も農家の方からは出た 地域単位でのまとまった対応の必要性、あるいは最初から駆除しか、すなわち敵をいなくすることだけを考えるのではなく、できる努力をいろんなパターンで取り組む・・・・ その中で、かけるべき人手はしっかりかける事が必要、安易な追い払い方法では、野生猿はすぐに慣れてしまう(慣れないのは、人間と、花火!) また捕獲、駆除しても、餌がある限りすぐに繁殖する(元に戻る) 常にではなく、必要なとき、すなわち野生猿が、ほ場に近づいたときに、地域で協力して人手をかけて追い払いを行う この事が、野生猿被害を小さくするためにとても重要であると、講師の方は口を揃えて説く |
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市町村の域を超えた被害防止対策 | |||||||||||
県担当者の一番の狙い・・・今回の鳥獣被害対策研修会の開催目的は、この地域を越えた対応策構築の第一歩にしたい・・・その熱意が感じられる研修会であった 野生猿の被害について、一番の不安はいつ来るか分からないの一言につきる 被害を受けてから、来たことに気付くのでは手遅れである 台風の進路予想と同じで、予想があれば必要な対応がとれる いまどの地域に野生猿がいるかが分かれば、その地域の人は追い払いに力を入れる必要があるが、他地域の人は安心して過ごせる 今あそこにいるなら、今は安全、今度はいつ頃この近くに来るぞ、その時は気を付けよう・・・ おっ、警報が作動した!! いよいよ来たぞ! そのためには、行政の域を超えた連携・・・・情報を伝達する仕組みが必要である 農家からは、担当行政窓口へ 行政は、エリア毎にアナウンスできる防災無線放送等の仕組みを使用して、その地域には注意を呼びかけ、また近隣市町村にその情報を伝える 受け取った市町村では、その情報をエリア毎にアナウンスできる防災無線放送等の仕組みを使用して、現在の野生猿の位置情報と、行動域調査データから今後の予測を流す このことを市町村間で互いに密に行えば、被害は必ず減すことができる 4市町の行政担当者は、接近警戒システムの導入と、市町の域を越えた連携について、前向きの取り組み姿勢を表明する(ほかにおいては、手詰まり状態と思われる) |
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野生猿接近警戒システム紹介 研修会の最後に具体的にご披露しました |
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ひとりふたりで追ってもサルは逃げない、痛い目をさせる、すなわち銃で撃たないと効果はない 野生猿の接近警戒システムを利用しても打たないと効果がないから、設置する意味がない とにかく銃でもって駆除を・・・ 年輩の農家の方からは必ず出てくる「声」 まずいつ来るか分からない野生猿への対応は実質不可能である また、野生猿は大人4〜5人で追うと必ず逃げる 自分と嫁さんだけでは・・・その4〜5人がいないではなく、当初だけでも地域で協力体制を作って追い払いを徹底する アラームがでたときだけ、地域で一致協力・・・この体制を作れば良い 野生猿に、この地域に近づくと必ず人がでてくる、と理解させることができれば、それで目的は達成する 野生猿は、ある限られた行動範囲の中(すなわち一定の縄張りの中)で一生をおくるわけで、その範囲のことは良く知っている ちゃんと教え込めば効果はある(地域情報として覚える) また、昨年からの実験で、経験的ではあるが、野生猿は音に対して条件反射をしているきらいがある(音によるアラーム・・・本来、人向けに発信電波を受けたら最初の6秒間アラームを出すように機能を追加したところ、野生猿もこの音を聞いており、この音と人がでてくることをイコールと認識しているきらいがある) 人手があるところで、しっかり追い払いができれば、この音に対する条件反射で、人手がなくて追い払いができないところであっても野生猿を近づけないことができる可能性というか希望もある 広域での連携(現在の野生猿の位置情報)、そして地域での連携の手段として、この接近警戒システムを活用・・・ この点では、学術経験者、行政担当者の考え/思いは一致している あとは行動あるのみ・・・野生猿の捕獲(発信器の取付を継続的に行う)努力と、地域の方の追い払いの努力だけである |
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特別出演:ハウス向けモグラ避け装置の紹介 | |||||||||||
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