TRIO TS-180X
1979年登場のオール・ソリッド・ステートHFトランシーバーです
TRIOとしては、前年の19781年にTS-120というモバイル機というか入門機は登場していましたが、本機がいわば初めての本格的な(固定機を目指した))オール・ソリッド・ステート・トランシーバです
本機は10W機ですが、もちろんこのあとにアンプが増設された100W機があります
オプションは、何も入っていません、ベースモデルです
回路構成は、ドライバ、ファイナルが真空管のハイブリッド機であるTS-820(1976年発売)と酷似しています
いずれもですが、プリMix方式を採用した、シングル・コンバージョンです
一発Mixの後に、いわゆるルーフィング・フィルタ(30KHz巾)の用意があり、SSB/CW狭帯域フィルタとの間にノイズ・ブランカのゲートが用意されています
発売時の価格は、¥198,000でした(100W機は、¥220,000)
リアパネルです
10Wモデルには、PS-25という背負うタイプのAC-DC電源の用意がありました(オプション)
実装した様子です
100W機であるなら、ここはファイナルのヒートシンクです
この場合の電源は、もちろん別途用意して接続(給電)です
本機は、
HF1.8MHz〜28MHzバンド(当時は、WARCバンドは無い)に対応した、SSB/CW/FSKトランシーバです
ほかに、JJY/WWV(10MHz)の受信ができます
DC12Vがベース電圧ですから、車載あるいは移動運用にも対応ます

受信は、先にも記した通りプリMixタイプのシングル・スーパー・ヘテロダイン方式(IF:8.3MHz)です
MosFET、バランスドミキサーが採用(多用)されています

回路構成は、TS-820に酷似していますが、混信対策などにはあまり注力されていないように思われます
そんなこともあってか、真空管ファイナルが無理が効くと信じられていたせいか、あまり多く出回っていた記憶はありません
余談ですが、当時、実践的な視点からは、TS-830のコスパが良かったように思います

下蓋(下ケース)を開いた状態です
右がIFユニット
フィルタは、SSB用がひとつのみ(オプションなし)
VFOを挟んで
左は、RFユニット
オール・ソリッド・ステートとはいえ、VCによるチューンは必要な設計です
ほぼ同時期のYAESU FT-301も同様で、真空管の設計を引き継いだというか、半導体に置き換えた設計ということだと思います
上蓋(上ケース)を開けて写したもの
大きなシールドは、PLL-VCO部
各バンドのVCO発振コイルや、49.08MHzバンドパスなどは、この下に隠れている基板にあります
VFOの上にあるシールド部、カウンタ・ユニットの後ろにスライドSWがあります
当時のアマチュア・バンドを外れると、デジタル周波数表示のコロンを点滅させ送信禁止をする国内仕様か、500KHz巾をフル・カバーする海外仕様かの切り替えのようです
現在は、1.8/3.5/7MHz帯が拡張されましたので、ここは制限をしない側に切り替えました(最初、なんでコロンが点滅?って思いました)
下写真のドライブ(DRIVE)ツマミで駆動されるVCです
送受ともに同調を取ります
このドライブ(DRIVE)表示をみると、まさかVCを駆動しているとは見えませんね
RFパワーツマミは別にあるし、いったい何をするものかと回してみたら、あららドライブ/プリセレ動作
バリキャップか何かで電子チューンかと思って、下蓋をあけて中を見たらなんとチェーン駆動でVCを回していました
ビートが濁って聞こえます
もしやと、別の電源を使って給電すると正常です
PS-25に原因があるということが確認できたので、分解修理です
電源ユニットPS-25を取り外しました
10Wファイナル・ユニットが取り付いています
100W機は、この電源トランスのところが、100Wのファイナル・ユニットの席でしょう
10Wのファイナル・ユニットをヒートシンクから取り外した様子
こうしないとPS-25の分解ができません
PS-25という電源ユニットとしては、きっとこの形でしょう
交換した電解コンデンサ
同じ容量であっても、随分体積が小さくなっています
2個のブロック・コンデンサのうちの一つ
3個の縦型チューブラ・コンデンサのうちの一つ
が、NGになっていました(予想通り!)
テストで良品も含め、全て交換
これらの交換によって、濁り音問題は解決でしょう

6P本体接続用コネクタの取り出し部
ゴム・ブッシングがボロボロになっていたので、この際コードプロテクタに交換しました
PS-25単体で動作させて問題の無いことを確認して、最後は、このように収まりました
結果、正常な動作が得られました

生誕45年を超えるかという代物ですが、見た目はまずまずのもので、内部は綺麗です
接触不良は、お決まりの事象
いつもの通りクリーニングから作業をスタートしました
クリーニング後は、そこそこ動作をしている感じです

ただビートが濁って嫌な音がします
疑った電源の問題でした(平滑コンデンサの劣化)

カウンタの周波数表示が少し(200Hz位)違っている感じがします

28MHz帯が、周波数表示が消え動作しません、いわゆるLock外れです
VCOの発振停止、これはOSCコイルの調整でクリア
500KHzのバンド幅が安定に得られません
端のほうに行くと、やはり周波数表示が消えます
49.08MHzのバンドパス調整(際にあっては、かなりシビア)で、ほぼほぼカバーするようになりましたが、あと一歩です
VFOの出力を少し上げて安定な動作になることの確認ができたので、これで良しとしました

後は、基準周波数の調整・・・
余談ですが、入手時の状態では、アナログ・ダイヤルの設定(100KHz台)位置が全く違っていました

さて、最後はお決まりのスペック確認
いずれも、オリジナル・スペックは、満足しています  

まず受信感度
 全バンド  0.25μV  S/N 10db  40dBμで、S9になることを確認
いわゆるTRIO/KENWOODの音がします

送信パワー
各アマチュアバンドにおいて、最大12Wでほとんど変わりません(要DRIVEピーク調整)
 2026.04   JA4FUQ

無線機歴史博物館に 戻る


週間クールサイトに選ばれました
無線LAN専門サイト
青電舎:担当 堀
   Mailは seiden_atmark_po.harenet.ne.jp
              (お手数ですが、_atmark_を @ に直して下さい)
      お電話では、(086)275−5000 
      FAXは、0120−545000
      〒703−8207 岡山県岡山市中区祇園433−6