SOMMERKANP TS288A
多分ですが、1970年代にスイス SOMMERKANP社のブランドで、主にUSに輸出されたトランシーバです
当時、SOMMERKANPは、YAESUの販売代理店でした
実際に、その頃のQSOで、SOMMERKANP FT-101 とかいうリグ紹介を聞くことは多くありました

見ても想像がつくように、FT-101と酷似しています
FT-101か、FT-101Bをベースに設計されたもののように考えられます
160mバンドから10mバンドまでのアマチュアバンド、10.000〜10.500MHz WWV(受信のみ)、CB帯はVFO(27.000〜27.500MHz)と固定の23CHでカバーできるようになっています
USにおける一時のCB需要に貢献したものかなぁと想像します
一見、日本製品とは思えないデザインですが、レイアウトはFT-101そっくりです

入手時点では、感度の悪さの原因がわからず、飾りにしかならないかと一時は思ったのですが、それでは当博物館の意義が失われる?と、元気を出しました!

リアパネルです

過大信号入力保護のランプヒューズが無いくらいで、ほぼほぼ、FT-101です
シャーシ下面です

まさしく、FT-101そのものに見えます
 本体左サイドです

VFOの上に、見慣れない基板が載っています
これがCB帯23CH固定CH用の2グループのクリスタル発振ユニットです
バンド周波数とVFO周波数の2グループの組み合わせで必要な23CHを得ています
IFユニットのアップです

明らかに、FT-101のユニットとは異なります
フィルタの左側は、NB部です

FT-101の場合、NBユニットは単独の基板で設計されています

本機のNBは、ある意味簡易型のようです
本体右サイドです

VFO上に見える基板以外、ほぼほぼFT-101です
シャーシ上側を写しています

・RFユニット
・IFユニット
・変調ユニット
・電源マーカーユニット
・AFユニット
FT-101のものとは、僅かずつではありますが、少し違った設計がなされています

CB用23CHのクリスタルは、本機独特です
僅かの違いといっても、ここでの差は大きい
RFユニット 1stミキサー部
CB23CHのために、異なった回路となっていました
受信ミキサーも、FT-101ではFETのところが、バイポーラTrでした(入力を、リードリレーでON-OFF)
このRFユニットが原因で感度が取れないことは確認できたので(通常のバンド切替においては、2つの基板の動作に差がないことが分かった)、101Bに使われているRFユニットを入手して、このTS288Aで使えるよう改造をしました(デバイスの交換では改善しなかったため)
パターンカット4ヵ所と、ジャンパ線2本の追加です、
クラリファイヤ 
  通常のVFO動作時、CB23CH固定CH動作時、いずれの時にも動作するようになっています(二連VR)
RFプロセッサー
  この機能の内臓はありません
   参考に FT-101ES 

入手時点では、PL切れ、ACトランス周りの配線・・・AC220V入力を100V入力に変更してあるのですが、その配線が危なっかしい、マーカー動作が異常(異常発振)、受信感度が低いなど、色々なトラブルを抱えていましたが、必要な対応をすることで、とりあえず送信も含めカタログスペックをクリアすることが出来ました
101関係のAssyは、入手しやすい点も功を奏しました
比較用に、FT-101ESを入手したというのが本当のところで、ACケーブルほか、部品取り用に別にFT-101を入手していました(この101は、本当の机上の飾りにと友人が持っていきました)
   
さて、最後はお決まりのスペック紹介
14.200MHz
 SSB   0.25μV 入力 S/N 10db以上    40μV入力時、S9に
 TUNE  おおよそ100W
送信においては、ALC動作を見ると、球のアクティビティは低下をしているようです
 2021.04   JA4FUQ

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