Heath-Kit  VHF-1 SENECA
多分ですが、1958年から1960年にかけて発売されたものだと思われます
50MHz帯(50.0−54.0MHz)と、144MHz帯(144.0−148.0MHz)を、AM及びCWでカバーし、AM最大入力120W、CW最大入力140Wというハイパワー送信機です
VFO、変調器、電源を内蔵します
真空管11球で構成されます
サイズは、428w x 257h x 243d mmと大型で、重量は≒23Kg と重たいです
この後の、HF SSBモデル HX/HRシリーズにつながるデザインです
極めてシンプルそのもの
MIC入力は、Switchcraft 2501F系コネクタの採用
この時代は、時々使ってあります(GONSETなどにも)
MPコネクタの芯を飛ばすことでも対応は出来ます!?
アンテナリレーは内臓していません
外部に切替リレーの用意が必要です(この時代は、これが普通)
本機の構成
内臓VFOまたはクリスタル4個を内臓、フロント・パネルから切り替えできます
VFOは、8.000−8.222MHz そして8.333−9.000MHzを発振
x3(トリプラ) で、24−27MHz台を得て
次の段で50MHz帯の場合は x2(ダブラ)  144MHz帯の場合は x3(トリプラ) します
ドライバー段・・・球は、2E26  50MHz帯の場合はスルー  144MHz帯の場合は x2(ダブラ) します
50MHz帯は、6逓倍  144Mhz帯は、18逓倍ということになります
終段は、6146プッシュプル 829B(2B29)のイメージです
終段の制御は、クランプ管
AM変調は、キャリア・コントロール方式です
クランプ管には、6AQ5  キャリア・コントロールには、6DE7が採用されています
高圧整流は、5R4で600Vを得ています
中圧整流は、5V4Gで300Vを得て、そこからOA2を使って150Vの安定化された電源をVFOに供給してあります
高い周波数を扱いますから、もっぱら構造的な要素が重要になります
ケースです
内側は、銅メッキが施されています
シールドが重要という証でしょう
真上からシャーシ上面を写したもの
トランス−終段部−トランス が、ほとんどのスペースを占めています
シャーシ上面をやや後ろから
終段部のシールドを外して写しています
終段は、6146プッシュプル
リンク・コイルは位置可変(結合度の可変が、フロント・パネルより操作可能)
手前左のシールドされている部分は、VFO部

FT-243ソケットは、固定CH用
クリスタル4個まで内蔵できます
こちらが変調部
シールドをかぶっているのがマイクアンプ12AX7
そのお隣は、キャリア・コントロール変調を担う6DE7
整流管の間に見えるMT管
奥は、定電圧放電管OA2
手前は、終段を制御するクランプ管6AQ5
糸掛けダイヤルは、リンクコイルの駆動用
写真では見づらいですが、中和用のロッドが左右の球に2本ずつ向けてあります
リンクコイルは位置可変(結合度の可変が、フロントパネルより操作可能)
右下のVCは、ロード調整用
真ん中のVCは、バタフライ型で、フロントパネルより調整可能
バンド切替は、SWで144MHz時には、50MHz同調部(コイル部)をショートさせるようになっています
2本の平行棒?が、144MHz帯の平行線同調回路部です
シャーシ裏です
トランスは、チョークコイル
黒の筒は、ブロックコンデンサで、高圧の平滑用
シャーシ裏、大きなシールド部中身のアップです
真空管は、ドライバ 2E26
50MHz帯ではストレート・アンプ、144MHz帯ではダブラとして動作
シャーシ裏、小さなシールド部中身のアップ
固定CHクリスタル発振/トリプラ部
うっかり力をかけすぎて、終段同調用バタフライVCの駆動糸を切ってしまいました
糸を張るスプリングも伸びてしまいました
ドラムの取り付いているシャフトがベークライト製で、適当な弾力が期待できたので、スプリングなしで強引に?糸を張りました
結果、うまく駆動できています、やれやれです
バンド切替、同調回路の駆動方法、同調回路そのものなど、メカというか構造が大きくものをいう製品だと思います
メカそのもののバンド切替機構やダイヤル糸を多用した各同調回路のフロントパネルからの調整機構など、いろんな工夫がそこここに見られます(いろんなノウハウに触れることができて、楽しいです!)

通電は、今のところ控えています!?
チョークトランスの不具合などあるし
     2024.06  JA4FUQ

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