展覧会案内・感想

2012年12月03日

 日本近代洋画への道
日本近代洋画への道 チラシ表

日本近代洋画への道 チラシ表
倉敷市立美術館で「日本近代洋画への道」が行われています。2012年11月2日(金)〜12月24日(月)
開館時間 9:00〜17:15 入館は4時45分まで 休館日:毎週月曜日(24日は開館)

この展覧会の案内として、ポスター、チラシ共に高橋由一のあの有名な「鮭図」がドンと掲載されています。近頃流行りの写実絵画を扱った展覧会?と、つい余計な先入観を持ってしまい、美術館へ足を運ぶのが遅くなりました。良い意味で予想を裏切る展覧会、反省です。

サブタイトルとして、山岡コレクションと倉敷市立美術館のコレクションとあります。その展示作品の多さときたら、、、これもとにかく予想外。

展示は、「洋風表現の試み」「近代洋画の父 高橋由一」「ワーグマンとビゴー」「初期の洋画教育」「女性画家の活躍」「明治美術会と白馬会」と本当に盛りだくさん、パート分けされているとはいえ、見終わって少々困惑することになりました。安易な解釈、理解をまるで拒否するかのような構成なのです。

展示室をつなぐ回廊では、古い美術教科書なども展示されていました。これも倉敷市立美術館蔵品。

洋画をどのように日本人が捉えまた自分達のものにしてきたか、明治期、大正期、そして昭和へと続くそれは、私の関わる日本画と表裏一体の関係なのです。2008年に岡山県立美術館で開催された「五姓田のすべて」展もしかり。

教育によってなされたこと。日本人が作り変えられた。そんなことを思います。このことは、身体も同じなのです。

油絵の材料を使って試みられた日本画風の作品。
現在の日本画材料を使って試みられた洋画風の作品をあらためて思うとき、異なったある種の価値観を吸収し文化的な融合をどのように行うか、行なってきたか、そんなところにもこの国のある一面、現在も続く姿を感じます。はたしてそれが良いことなのか悪いことなのか?、安易な決め付けはよくありませんが、吸収、同化の過程では、何かを壊してきたことも確かなようです。

「伝統教育」という言葉を聞きます。
この国の伝統とは、はたしてどのような存在なのか。
描かれた材料、技法、絵柄だけを見て判断しては何かが失われる。より原初的な姿に立ち返って考えたいとあらためて思わせられる展覧会です。