旅行前半は食費込みなので,28日以降のみ食費(1人あたり)を記す。また台湾の通貨単位は圓だが慣例に従い元と記す。(入国時1万円を両替して約3,350元: 1元=約30円)

 

5月24日

 桃園空港から鞍馬山荘へ向かう途中東勢付近で,ガイドの陳さんが,道路沿いの露店で購入したライチ(レイシ)を試食(約3kgで¥1000円程度)。

一部は青くまだ熟れてないのではと感じたが、ライチは傷みやすく皮が変色し易いとのこと。プルンとした果肉をほおばると、さわやかな甘さと香りが広がった。新鮮なものは楊貴妃の故事も納得の味で、日本で食べるのは全く別のものと感じる。

 

 東勢からつづら折りの大雪山林道を約40km,鞍馬山荘(標高2275m)に到着したのは夕刻,各自の部屋へ無事荷物を搬入した頃にはすっかり日も暮れていた。鞍馬山荘は,大雪山国家森林遊楽区にある休暇村のような施設,ビジターセンタや,いくつかのタイプのゲストハウスから成り,我々が利用したのはロッジ(二層木屋:wooden cottage)で,各棟ツインが2部屋で構成。このロッジは森の中に点在し,周りには見上げるような大木,自然環境はすばらしい所であった。

 部屋の設備はまずまずで,TV, 電気ポット,除湿器,電気式毛布があり,

タオル類も完備。バスルームは洋式トイレとシャワーがあるが,シャワーはカーテン等の仕切は全くなし。トイレまで濡らさぬよう注意してシャワーを使用したが,皆さんかなり苦労したのではと推察。

 

 

 国家森林遊楽区(National Forest Recreation Area)内では「アルコール類とタバコは販売しない」とのこと,思いがけず休肝日を楽しむことになった。ただし,外から持ち込むのは規制されてないとのこと。また,この区域への出入りはゲートでコントロールされており,入場料が必要。我々のバスが着いた時は既に閉門時間を過ぎていたが,別に手続き後入場した。

 

夕食 鞍馬山荘の食堂(餐庁)

 鞍馬山荘に滞在中は別棟の食堂(餐庁)で,ガイドの陳さんと運転手の黄さんも同じテーブルで食事。食堂はかなり大きいが,19時半をすぎていたせいか客はまばら。料理は我々にもなじみの品が多く,あっさりした味であった。豚足も見かけよりうす味,鶏肉も殆ど味付けはなく好みで皿に添えた塩を付けた。 

 

 

5月25日  3食とも鞍馬山荘食堂

 朝食はバッフェ式,下の写真は私の朝食で,皿の中央はマントウ(饅頭),12時方向は漬け物(ウリの類だが不明),時計回りに,ピーナツ,豚肉のそぼろ,湯葉(日本のものと違い,油で揚げた後煮付けてあった:多分保存食),高菜(多分漬物を炒めたもの),にんじんの卵とじ。初めの4品は,お粥のトッピングとして定番らしく,後々よく出てきた。おかずは他にも幾種類かあった。

 

 

昼食 鞍馬山荘の食堂 

料理は,白身魚のフライ,豚の三枚肉,鶏の唐揚げ,豚の胃袋と野菜の炒め物

中華料理というと,いろんな調味料や香辛料のきいた濃厚な味を連想する。しかし,鞍馬山荘での食事はそのようなイメージを払拭させるに十分で,淡泊なごく普通の家庭の味という感じだった。

また食事方法もかなり違いました。この食堂では取り皿はなく,我々は茶碗を代わりに使用。周りの人達は各自の箸で直接ご飯の上へおかずを取っていた。さすがこの食堂以外では取り皿はあったが,日本のように頻繁には替えず,標準的には取り箸は無かった。郷にいればということで旅の終わり頃には皆さんかなり慣れたようでした。

夕食 鞍馬山荘の食堂

蒸し魚はすずきでソースは醤油味、あっさりして良い味だった。手前はヘチマ、スープは冬瓜、豚足、白身魚のフライなど。

 

5月26日

朝食 鞍馬山荘の食堂 前日と同じなので省略。

 

 この日の行程は長距離ということで朝食後すぐ出発。2200mの鞍馬山荘から林道を下り平地へ,台中市から東へ山岳地帯へ入り,3000級の山を越え太魯閣渓谷まで約8時間,途中埔里で昼食というスケジュールであった。

 

昼食 埔里 金都餐庁

 埔里は地理的に台湾のほぼど真ん中にある町で,豊かな農産品と良質の紹興酒で知られているとのこと。昼食に利用した金都餐庁はコンテストで賞を取るなどで有名店だそうで,バスが5-6台駐車という盛況ぶりだった。

 前菜は白いマコモ(埔里の特産;水田で栽培されていた),右は豆腐,薬味の香菜(?)が大きすぎ冷や奴としての食感には難点があった。次はチキンとビーフン(これもこの地方の名産)。この店では取り箸があり,取り皿の替えも用意されていた。我々は個室で食事したので,これが一般的かどうかは不明。

 

 蒸し魚のソースも上品な味で美味しかった。鞍馬も埔里も海からは遠いが全て海の魚であった。きのこスープは逸品,いろんな種類のきのこが混ざり合った上品な味で,皆さんに好評,具のおかわりが出てきた。

 

 エビやその他数種類の料理があり,最後にスイカがでた。全員ゆったりと食事を楽しんだ。

 豪華な昼食の余韻を楽しむ間もなくバスは出発。埔里からは山岳地帯へ,最初の山岳民族集落を過ぎるあたりから,勾配とカーブは半端ではなくなった。標高3270mの武嶺ではガスに包まれ,かなり寒い中で鳥見と休憩。ときおりガスの切れ間から見える風景と高山の鳥に後ろ髪を引かれる思いで,太魯閣渓谷へ向けて出発。

降りもまたハードな山岳コース。下っても,下っても,まだ深い渓,初めは雄大な景色に見とれていたが,やがてどこまで続く坂道かと感じたのは私だけではなかったでしょう。

 太魯閣渓谷に着いたのは既に薄暮,すこし観光し,布洛湾山月村に到着。この宿泊施設の紹介は明日の項にまわし,まずは夕食。

 

夕食 布洛湾山月村 食堂

 夕食は日本式で各自の食事がセットされた形式。民芸風の皿に生野菜のサラダ。木の盆には,スープ(左の白い陶器),白身魚のフライ,イノシシの肉,中央の木皿は野菜とポテトサラダ,左端は島らっきょう,竹筒はおこわ。たくさんの大皿から取り分ける中国式よりも,日本式の食事にほっと一息でもあった。

 

5月27日

 布洛湾山月村は,太魯閣渓谷から車で10分程度のこぢんまりしたリゾート施設,その名称から海岸を連想していたが,渓谷中腹のテラス状の場所にあった。本館(フロント,食堂)、裏の芝生の広場の周りにはロッジがあり,緑の中のすばらしい自然環境。部屋は一段上がった床に,蒲団というより低床ベッド。シャワー室は仕切のある独立式。設備的には日本のホテルとほぼ同じで快適であった。

朝食 布洛湾山月村の食堂

 朝食はバッフェ式,生野菜と果物,ビーフンなど、おかずの種類は多かった。食堂内やロビーにはタロコ族の民芸品が飾ってあった。ふかし芋もあり日本のものより柔らかくて美味しかった。

 朝食後,雄大な太魯閣渓谷を観光し,東海岸を北上。この一帯は石灰岩の断崖が続き,真下の太平洋には定置網が設置されているのを見る。漁業が盛んで新鮮な魚料理が味わえるとの案内を実感した。昼前に南澳駅前の海鮮レストラン清谷園に着く。

 

昼食 南澳 清谷園

 さすが海に近いレストランらしく新鮮な魚料理を堪能した。

まず,刺身はさすがに美味,しかもわさびが付いていた。ボイルしたイカは,墨は抜いてなく野趣に富む味でした。

ほかにもエビなど数種類の料理が出た。回転テーブルも比較的小さく,皿と水のボトルとの接触もあり我々の基準ではかなり忙しい食事であった。しかし周囲の中国人達のおしゃべりはにぎやかでした。それに比べ日本人は静かで食べるのが早い,この文化の差はなかなか越えがたいと実感。  

 

 

昼食・植物園での探鳥後,再びバスで海岸を北上,蘇澳,台北郊外経由で烏来へ。烏来は日本の温泉街に似た山峡の町,狭い街路を曲がるのに切り返しながら名湯温泉会館に到着。日本の温泉ホテルを想わせる渓流沿いの建物で,日式客室はベッドではなく蒲団タイプ。バスルームには巨大な浴槽が鎮座,おかげで部屋は狭い。この浴槽を使用すれば熱気と湿気で居住性が悪化しそうなので,大浴場を利用。大浴場は日本と同じ,久しぶりに湯船でゆっくりリラックスできた。

 

夕食 名湯温泉会館

夕食は別棟の食堂で,前菜,2種のさしみ,あわび,小エビの唐揚げ。春雨と野菜,川魚(ハヤ)の唐揚,タケノコの煮物などの他数種類とチャーハンなどがあった。内容は日本の温泉旅館を連想させた。日本の団体客利用のホテルらしく,ウェイトレスは日本語が上手で,またフロントも片言の日本語が通じた。

5月28日

朝食 名湯温泉会館

 写真を紛失したので省略,前日までと特に変わらず。

朝食後ホテル周辺を探鳥後,烏来から台北へ移動,忠烈祠で衛兵交代を見るなどの観光・探鳥後,市内中心部にある康華大飯店へ。

 

昼食 台北 康華大飯店

 台湾へ来てはじめて入る都会的なレストランで,飲茶料理を味わう。

はじめの大根餅や豚肉料理も美味しかったが,小籠包や数種類の焼売は味だけでなく見た目も良い。さすが大都会のホテル,観光客も多くサービスも日本並み。

夕食 金品茶楼

 夕食は軽い食事をということで,陳さんお薦めの金品茶楼に行く。表はお茶屋さんという雰囲気,店内も入り口のケースにはお茶が並んでおり,2階にしゃれた上海点心料理のレストランが在るとは想像できなかった。

 足りなければ追加ということで,点心のセットを注文。春巻き,焼売,小籠包,空芯菜,焼きめし,東坡肉,デザートの甜点心である。陳さんに箸とレンゲをつかい小籠包を食べる方法を教わる。こうすると中のスープの美味しさが全て楽しめた。

 陳さんふるまいの埔里産の紹興酒(埔里産はビン底のロットナンバーが偶数とのこと)をいただく,紹興酒につきものの臭みが全くなく,まろやかで良い酒であった。少しよい気持ちになった頃,ウェートレスが持ってきた皿に美味しそうな東坡肉(トンポウロウ)。ただしこれはお披露目で,後でサンドイッチとして賞味。陳さんの説明によればこの料理は宋の文人蘇東坡に由来するとのこと。紹興酒を傾けながら,東坡は酒飲みでいささかだらしなかったなど歓談。 費用:400元

 

5月29日 

朝食 国王大飯店 

 観光を兼ねた散歩で食事時間に遅れ,あわてたため写真はなし。

 

昼食 圓山大飯店 金龍廳(私は参加していないので,田内さん執筆)

   でんとそびえる中国宮殿様式の圓山大飯店。中に入ると、ロビーは天井がとても高く、真紅のじゅうたんが敷き詰められ、両脇に並ぶ赤い柱は見事。正面の大きな階段を上がると,レストラン「金龍廳」。広い窓から台北の町並みを眺めつつ、天井の荘厳な彫刻に圧倒されながら広東風の飲茶料理をいただく。 

  メニューは豚肉の前菜3種、湯葉巻き、海老しゅうまい、ぎょうざ、春巻き、大根もち、炒飯、スープ、万頭、とりささみとオランダ豆の炒め物、胡麻まんじゅう、卵黄まんじゅう、すいか、パパイヤ、オレンジ など。どの料理も素材の持ち味が生かされ、さすがに上品な味。特に湯葉巻き,しゅうまい、ぎょうざ、大根もちはまさに絶品でした。

   ただ、せっかちな日本人に合わせたのか,料理が一度に運ばれてため,折角の料理を熱々で味わえなかったのはすこし残念。費用:630元


夕食 士林夜市など

 豪華な昼食の後なので,夕食は簡単にというわけで,大半の人は夜市で仕入れたちまきやマンゴーなどの果物ですませた。

例えば私は,マンゴー(60元,一人ではもてあまし気味),菓子パン(2ヶ35元),缶ビール(40元)

5月30日

朝食 国王大飯店

 お粥のおかずはいろいろ,写真手前は乾燥豆腐を発酵させたもの,クリーミーでなかなか美味,お粥との相性は抜群の保存食品。その右はショウガのつけもの,さっぱりした食感,中央奥の梅は少し甘く梅干しとはまた違うがなかなか良い味であった。写真はDさんの朝食,台湾でもパン食がかなり一般的になっている様子。

 朝食後,淡水河口の関渡自然公園へバスで移動。

昼食 城市旅商

 桃園空港近くの城市旅商(旅商はビジネスホテル)で台湾料理,雰囲気も料理も庶民的な感じである。里芋の煮物,見た目よりも淡泊で良い味であった。さしみ,蒸し魚,エビなどの海鮮類も美味しかった。サクラエビを散らしたおこわは,一見チマキの中身かと感じたが,意外にさっぱりとした味で,おかわりをした。

費用:300元

 

 

旅費明細              山田泰照

 基本的には4泊5日の旅行で、希望者のみ2泊台北に延泊するということだったが、全員が延泊希望だったので6泊7日の旅になった。

延泊の食事(ホテルは朝食付き)は旅費に含まず、各自の追加払いとした。

航空券(関空からの人はキャセイ航空使用) ¥62,140
5日分旅費 51,000
延泊分宿泊費・バス・ガイド料金&入場料 15,230
2日分食費(概算)  4,200
合  計  132,570

一人部屋追加料金 24,400

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