日本でのチュウヒの繁殖数はごく少ない。そのほとんどが、北海道と東北北部に集中し、それ以南の繁殖地は種々の開発行為により、壊滅的であり、全国を合計してもわずかに110ないし140つがい程度である。また、越冬地である葦原も同様に種々の開発行為にさらされている。
チュウヒは2017年9月、種の保存法の指定種(絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律における国内希少野生動植物種)となった。環境省も各自治体も、さらに国民である地権者もチュウヒを保護する義務を負わされたこととなる(2条1-3)。この中には当然、生息地保護も含まれよう。
これを機会に国、地方自治体はチュウヒ生息地保護の明確な姿勢を示し、鳥獣保護区特別保護地区に指定するなどして、生息地の開発を厳しく規制して、保護に着手すべきである。
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