1/27//2007 展覧会案内・感想  
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法隆寺金堂壁画 笠岡市立竹喬美術館

岡山県笠岡市の笠岡市立竹喬美術館で「法隆寺金堂壁画-コロタイプ版複製を中心として-」という展覧会が開かれています。 会期:1月20日(土)〜3月4日(日) 

 修学旅行で行ったあの法隆寺。京都・奈良、そのときいろいろ回ったお寺のうちの一つ程度の認識でしかありませんでした。その後何年も過ぎ、美術を勉強するようになって、その場所にある壁画が大変貴重なものであり、また素晴らしく、かけがえのないものであるらしいことを知るのですが、いかんせんすでに往事の姿を見ることはかなわないことでした。1949年、火災により焼損していたのです。

 学生時代、法隆寺壁画模写に関わった先生から当時のお話をお聞きしたり、また古美術研修で法隆寺を案内していただいた記憶がよみがえります。

 もちろん今回、法隆寺にある壁自体を持ってくることは出来ません。「-コロタイプ版複製を中心として-」とサブタイトルにあるように、それがまだかっての姿をとどめていた時、貴重な壁画をどうにかして後生に残そうとする試み、焼損する前の姿を伝える資料が展示されているのです。

 金堂の壁全て。コロタイプ版とはいえ、釈迦浄土図・一号壁から12号壁・十一面観音菩薩像までの全12幅が竹喬美術館の新館ひとつの部屋に集められ、全て飾られた姿は壮観です。一度に全部を見ることが出来たのは今回初めての経験で、素晴らしい収穫でした。
 

左・展覧会チラシ 右・カタログ 右前・入館券
■ 左・展覧会チラシ 右・カタログ 右前・入館券
 

■ このほか入江波光さん他が取り組んだ第六号壁・阿弥陀浄土図をはじめとした模写も何枚か陳列され、鑑賞者の理解を助けてくれています。

27日(土曜日)今回の展覧会に合わせて行われた便利堂・コロタイプ工房の山本修氏によるコロタイプ技法の説明は大変有意義なものでした。コロタイプ(白黒トーン)に絵の具の着彩による再現模写と、上げ写しによる模写の違い他、大変興味深いものでした。また、その後のカラー化対応なども興味深く、その行程それぞれが、手仕事、職人の姿を感じさせてくれるものであったことも印象深いです。
 


コロタイプ技術説明の資料
■ コロタイプ技術説明の資料
 

■ <卒業写真のあの人>・・・・卒業アルバム。かってそれが白黒だった頃、それはコロタイプ印刷だったのだとか・・・。その後、カラー・オフセット印刷が一般化することになった時代の流れ。網点による表現ではない写真印刷の世界。

用いるカメラのこと、原寸大フィルムによる撮影風景、フィルター処理による版の分解、まさしく版画と言ってよいような版作り、刷りの行程。

「コロタイプ」言葉は知っていたけれど、今回その技術を用いて実際に作業を行っている方から現場のお話をお聞きできた事は大変有意義な経験になりました。

※今回の便利堂・山本修氏の解説は、
「コロタイプ技術の保存と印刷文化を考える会」
の笠岡フォーラム開催に合わせて行われたものです。

※コロタイプについては(株)便利堂ホームページに詳しい説明があります。

 


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