1/31//2008 展覧会案内・感想  
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岡山県立美術館 荒川豊蔵展

岡山県立美術館で「遠友再来 人間国宝 荒川豊蔵」展が行われています。

平成20年1月16日(水)〜2月24日(日)
開館時間 9:00〜17:00(入館は16:30まで)
休館日 2月4日(月)、12日(火)、18日(月)

山には未だ先日の雪が残っていましたが、所用もあり、街に出かけてきました。焼き物の展覧会、もちろん焼き物ばかりの展示だろうと思いつつ会場を訪れてみると、意に反して、絵や書、その他のものも展示されており、印象に残る展覧会となっていました。
  

荒川豊蔵展ちらし:表
■ 荒川豊蔵展ちらし:表
 

■ 美食の話しが出てくると必ずセットで語られることの多い北大路魯山人、彼の鎌倉にあった星岡窯に招かれ、豊蔵は作陶を本格化させたそうです。そう言われてみれば会場に展示された遊び心の数々、スケッチ、書、茶碗を入れる筒、硯の蓋などなど・・きちんと表具され軸装になったモノもありますが、資料として描かれたモノ、手紙なども楽しんで作っていた気分が見えてくるようです。
 
美術の教科書などで見たことがあるかも?有名な「鶴下絵和歌巻」、俵屋宗達が金泥、銀泥を使った鶴を描き、その上に、本阿弥光悦が書を書いていますが、この巻物を豊蔵が所有していたとは!驚きました。手放すときに便利堂に複製を作らせたそうで、その複製が展示されていましたが、言われてみれば茶碗にみられる梅の意匠など気分・豊かさの秘密はこんなところにあったのかもわかりません。
 


荒川豊蔵展ちらし:裏
■ 荒川豊蔵展ちらし:裏
 

■ このほか、豊蔵に影響を与えた、もしくは目を育てた古陶の名品も並んでいます。

刺激を受けた数々、「良いモノ」を探す過程がかいま見える展示です。

もちろん、焼き物、志野、瀬戸黒の作品は見所十分。
金継ぎによる名品もありました。

とにかく?器が醸し出すゆったりとしたおおらかな時間がなによりの展覧会でした。

 


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