5/24//2008 展覧会案内・感想  
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岡山県立美術館 古典・物語絵の世界展

岡山県立美術館で「古典・物語絵の世界展」が行われています。
平成20年5月21日(水)〜6月29日(日)休館日/月曜日
開館時間 9:00〜17:00
金曜日は午後7時まで(入館は閉館30前まで)

源氏物語、伊勢物語、平家物語、岡山県内に所在するそれらの関係作品を集めた展覧会が岡山県立美術館で開かれていました。入ってすぐの場所に絵因果経の断簡が飾られています。昔々場面は違えど模写したことを思い出します。続いてガラスケースに収められた装飾的な屏風作品。盛り上げた絵の具の上に金箔を施しレリーフのような表現や、精緻な作業、工芸的な技術を見ることが出来ました。

テーマ展 展覧会チラシ
■ テーマ展 展覧会チラシ
 

■ 歌を張り混ぜた屏風もあり、絵巻物自体の展示もありました。

柔らかな林司馬さんの模写もあり、それぞれ興味深く見ることが出来ましたが、大きな屏風作品に個人蔵と記されたものも多く、その所蔵に驚きました。

古典物語自体に対する興味、ストーリーについては、ある意味で受験生の時代にさかのぼらねばならないほど遠い世界になってしまいましたが、純粋に描かれている絵、表情、動きなどを追うだけでも楽しめます。

天然絵の具の柔らかい発色との出会いも現在の生活空間では得難い物です。

話はそれますが、最近、気になっていることに岡山出身の(日本画と呼ばれるジャンルでの)絵描きさんの姿についてがあります。先日の倉敷市立美術館、そしてこの県立美術館で見た稲葉春生の作品、そして今展での林皓幹の作品。まじめに取り組まれ、誠実に描かれたと思うそれらに接して、そういった流れが現在においてはたして継承出来ているのかどうか?そんなことも大きな時間の流れとともに感じた展覧会でした。
 
同時開催で「柚木家をめぐる画家たち」展が行われていました。
また緑川氏の写真他、館蔵品の展示もあります。

 


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