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7/14//2009  レポート

日本画実習法 第二編 材料 その2

■ 川合玉堂の著した「日本画實習法」はたして「日本画」の何が変わって、何が変わっていないのか。気になる部分を備忘録がてら感想など。その3
 

第二編 材料   小見出しと要約

■<下塗り法>
下塗りには一定の法則がある。
必ず塗るべきところには塗るべき色があり、その塗り方にも濃度、柔硬、盛り上げの必要などがある。
(例として、群青の下塗りについての説明を取り上げ、以降にそれぞれの岩絵具について具体的な例を説明、基本は藍など染料系の絵具を胡粉に混ぜた具絵具を先に塗る。群青系は藍の具の濃淡、緑青は浅黄の具、朱系は、固の具、金泥は黄土、銀泥は淡い色の具か胡粉。)

■<暈かしに用いる色>
上塗りをしたあとに暈かしをする場合の規則。
白の上には草の汁。朱の上には洋紅か胡粉臙脂、胡粉の上には淡い藍、黄土の上には、岱赦。
また、白録の上に群青や紺青で暈したりするが大変な技術を要する。
砂状の岩絵具は塗るおり斑になりやすく、何度か塗り重ねる事になるが、一度乾くと弾いて塗り重ねにくい。このような場合、先に絵具に薄荷油などを一二滴加えておけば自由にのびて運筆できる。


■<絵具の秘伝>
上記のような下塗り法、暈かしについてのことなどは、かって秘伝とされ、門弟にのみ誰にも漏らさぬようにと言って口授したものである。
しかし、現在(昭和2年頃)ではあらゆる技術が公開され、ただ腕の競争だけになった。流派などに関わらず知る事が出来る。
絵具皿の上で絵具を長く指で摺ると伸びが悪くなる原因は、手から脂肪分が溶け出すためであり、一方、(絵具皿に)油を先におとすのは油によって(重ね塗り時の)弾きを押さえる為である。


■<記憶すべきこと>
岩絵具、金銀泥のあとしまつについて。膠抜きの説明など。
基本の扱いはここまで、あとは応用である。

■<絵具皿><組皿と菊皿><乳鉢>
それぞれの説明。火にかける場合もあるのでその注意ほか。

二、紙と絹

■<紙絹の一般><絵絹について><絵絹の種類><杼>絖(ぬめ)絹織物のひとつの種類。
産地、厚みなど具体的説明
■<紙><唐紙><画仙紙><白紙><鳥の子紙><版下に用いる紙>
産地、原料、大きさ、用途、性質などをそれぞれ具体的に説明。


※ここまで27ページ。なんでもありの現在から言えば、描き方、絵具の使い方といった部分が普遍性をもって語られているところが興味深い。かって日本画が近代的な美術として否定される要素のひとつとされたある種の工芸性こそが、このような時代になって、なんらかの形で(あるとすれば?)本質に繋がる道を指し示しているような気がしている。次回は三、筆、墨、画帳等について。