日本画実習法 付録 芥子園画伝要訣
<芥子園画伝解説>東洋画法を学ぶ者の出発点、基本である。清の康應年間、王安節が中国歴代の大家の筆法を集め編して解説を加えたものである。また、初心者にとって必要なことがまとめられている。第一巻は前部に画法、後部に彩色法がある。第二巻では、樹法、葉法、雑樹、葉樹、竹、松柏画法の木樹の具体的描き方、第三巻では、山、石、峰、皺、流れ、波、滝、水、雲などの描き方、第四巻では、点景人物、点景鳥獣、橋、家、船、器具など第五巻では、諸派での慣例等現在(本が書かれた昭和二年頃)では、これに加えて、各種人物描法、蘭竹菊梅の四君子の描法なども続巻としてある。
<芥子園画伝と現代画>写生を基本とした現代の絵画から言うと、このまま直ぐに役に立つというものでもない。ただし、東洋画の基本原理を理解し、筆意骨法を会得するためには極めて必要なものである。南宗画を描こうと思っているなら先ずはここから稽古する事が始まりである。<先ず樹幹から>山水を描く事は東洋絵画の根幹であり、出発点である。しかし、山水は天下に満つるの大観、容易にできるものではない。先ずは、樹木からである。骨格となる幹から描き、そして衣と同じ葉を着ける。このことは何事に置いても応用される基本である。
<二 株の描法><三 多株交形の画>二つの株が重なって生えている様子の描き方など、木を描く場合の基本紹介<樹葉の点法>葉の描き方、点によって描く桜華鼠足点、菊花点、胡椒点、などの紹介他
※最後は、資料図版を掲載して巻末となっている。描き方は、対象の一つの見方(過去の画家たちがどのように見て来たか)を現している。見方を知る事によって、描く手がかりを得ると同時に、価値観の所在について考える機会となる様に思う。これは(絵を描く勉強としての)模写も同じだろう。
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芥子園画伝解説と参考図版