森山知己ロゴ
1/8//2012  ○Web吉備悠久

曹源寺

■ 2004年(平成16年)1月18日(日曜日)山陽新聞掲載の吉備悠久は、岡山市の曹源寺を訪ねる企画でした。
 
幻雪
>> 幻雪 (46.71KB)

 寒さに身震いする早朝、この寺で日曜日毎に行われている座禅会の噂を聞いたこともあってその様子も取材の一部にと吉備高原を出発しました。未だ通りに車の少ない時間帯、スムーズに目的地「曹源寺」に到着です。車を降り、いざ境内に入ろうとすると左手の池から上がる白い湯気が目にとまりました。朝日にあたるその白さに精神的な場所、修行の空間ということが不思議と伝わって来るような気がしました。
 

 
風呂場後?だった様な気がしますが、、。
>> 風呂場後?だった様な気がしますが、、。 (41.97KB)

 まっすぐに伸びた参道、雰囲気のある山門、その間を通して見る時代を経た建築物の姿。しんと静まり返った空間。両脇からの緑がその厳しさに救いを差し伸べている様にも感じます。
 山門をくぐった後、ふと後ろを振り返りたくなりました。
日常世界との別れ、そんな大げさなものでは無かったかも解りませんが、精神的な空間に足を踏み入れたのだと意識させてくれる装置のあり方といったものを感じたのです。
 
 今回のメインの絵は、この振り返り様に感じた何かの存在、本当は無い雪をあえて加えて描くことを思いつきました。名付けて「幻雪」です。

 
境内にある池、岸辺のしだれ桜の枝が印象的でした。
>> 境内にある池、岸辺のしだれ桜の枝が印象的でした。 (42.22KB)

 境内を散策していると作務衣姿の異国の方々の姿が目に留まりました。
海外から「禅」を学びに来られている方が多いお寺、受け入れているお寺だとか。

 箒を持ち境内を掃き清める彼らの姿。

現在のこの国の文化、姿は、はたして彼らの目にどのように映っている事だろうか?と、そのおり思ったものです。


雪舞う中、一人の僧が、震災の地を歩く写真が浮かんできます。
世界を駆け巡ったこの画像。
心の時ということを思う年頭です。

ここで紹介している画像は、作家・紀田順一郎さんとの共著『吉備悠久』(山陽新聞社刊、2006)に収録されたものです。
紀田順一郎さんの「曹源寺」紹介は、以下リンクよりどうぞ。
http://plus.harenet.ne.jp/~kida/topcontents/news/2012/010801/index.html