森山知己ロゴ
7/18//2013  ○Web吉備悠久

渋川遠望 岡山県玉野市

■ 1999年(平成11年)9月5日(日曜日)山陽新聞掲載の吉備悠久は、玉野市の渋川海岸を訪ねる企画でした。
 
渋川遠望
>> 渋川遠望 (114.34KB)

 小学生時代に海事研修で泊まった場所、地引網体験、カッター漕ぎ。水族館の暗さ、亀、アシカの泳ぎ。家族での海水浴、焼けた砂浜、屋台、露店。白い砂、色とりどりの水着、パラソル、弾ける体、人の群れ。飛び込む人、日焼け、笑い声。水から引き上げられた船影、ヨットの艇庫、海岸から眺める王子が岳の姿。日比の精錬所、煙突。海を望んで見える四国、ひときわ目立つ三角形、おむすび、大槌島。

 夜の海、冷たい海水、ジョーズ登場の音。松のみどり、青空、入道雲。岸辺に打ち寄せる遠いタンカー、貨物船、大型の船が生み出す波。瀬戸内海を遊び立ち寄るクルーザー。水煙を上げて疾走するジェットボート、ウオーターバイク。

 取材地が渋川海岸と決まって、蘇った数々の記憶。田の口から唐琴、王子が岳の麓、海岸べりを走る道路を通って渋川海岸への道。次から次に紀田先生を案内したい場所、道筋が頭に浮かんだ事が思い出されます。

 取材当日、天候に恵まれたことを思い出します。昔と変わらない姿で渋川は迎えてくれました。

 
水族館にある灯台
>> 水族館にある灯台 (74.74KB)

 玉野海洋博物館はとても楽しみな場所でした。岡山県南に生まれた子供、渋川での海水浴とこの水族館は切り離せないくらい重要な存在だったのです。

近くにある三井造船所で作られた船の模型や、昔の漁の様子を紹介するジオラマ。昔の宇野港の様子。ホルマリン漬けの標本。

暗くヒンヤリとした水族館内部。水の中の様子、魚。

この灯台の前あたりには、大きな海亀のプールが有りました。ゆったりとした動きが印象的だったことを思い出します。

 
タグボート 宇野港
>> タグボート 宇野港 (63.72KB)

 小さな頃、日比から宇野までかつてあった小さな電車に乗って向かったことが思い出されます。買ってもらったチョコレート、プラモデル。車窓から見える制作中の巨大な船、大きくカーブする線路。


 今年も瀬戸内国際芸術祭が開催され、岡山と四国の島を結ぶ出発港として宇野を訪れる方も増えていると聞きます。宇野港から少し西に足を伸ばして渋川海岸、王子が岳、鷲羽山、下津井、なかなかの風景に出会えるのですが・・・・残念なのは、訪れる交通手段が車・バスしか無く、時間の余裕が必要というところでしょうか。

 船に乗り、島を巡る非日常体験。ゆっくりと流れる時間。海、島に囲まれた安らぎの世界。多くの方々に楽しんで貰いたいものです。


ここで紹介している画像は、作家・紀田順一郎さんとの共著『吉備悠久』(山陽新聞社刊、2006)に収録されたものです。
紀田順一郎さんの 「 渋川海岸(玉野市渋川)」は、以下URLリンクよりどうぞ。
(下記URLにはリンクが設定されています。クリックすることで紀田順一郎さんのサイト記事へ直接ジャンプできます。)
http://plus.harenet.ne.jp/~kida/topcontents/news/2013/071701/index.html