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11/13//2013  材料技法

児玉希望展「日本画の伝統技法に挑戦」ワークショップ

■ 華鴒大塚美術館で開催中の児玉希望展関連行事としてワークショップ「日本画の伝統技法に挑戦!」が11月9日土曜日、開催されました。
華鴒大塚美術館ホームページ
http://www.takaya.co.jp/hanatori/museum.html
華鴒大塚美術館 児玉希望展紹介
http://plus.harenet.ne.jp/~tomoki/topcontents/news/2013/102201/index.html
 
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 ワークショップの講師を引き受けることもいつの間にか多くなりました。
日本画というものがどんな存在なのか?私自身が知りたい、納得したいと探してきたことが幾らかでもお役に立つならと引き受けています。

 国の名前の付いた絵画 「日本画」とは?

 そんなことどうでも良いと思われる方もいらっしゃるかもわかりませんが、私にとっての「日本画」を探す中で出会った素敵なこと、大切だと思うこと、守りたいことなど、幾らかでも伝えていきたい、理解者を増やしたいと思っているのです。

 
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 技法に関するワークショップでは、先人たちの工夫、素晴らしさを具体的に体験出来るかどうかも大切な目的となります。その度毎にわかりやすい、伝えやすい何かを考えるわけですが、こうしたことを続けていると、私自身が新たに教えられたり、気づくこともあります。

 説明の中で偶然発した言葉によって、私自身の理解が進むということもあるのです。

 
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 今回のテーマは「たらし込み」

 「水の時間」を理解することが大切ということをかねがね言ってきましたが、水と岩絵具、材料の使いこなしの中で、波が打ち寄せる砂浜といういうイメージが今回湧いてきました。

 「たらしこみ」を試すことによって、たっぷりの水の中にたらしこむ墨、絵の具、その比重に応じた静かな沈殿が美しい表面、発色を作ることを知るわけですが、通常の絵を描く作業では、このようにたっぷりの水を使うことが出来る場合ばかりでないことも確かなことです。

 よい発色をさせる最低限の水の使い方、コントロールは、波打ち際の波のイメージに近いのではないか。波打ち際での砂を使った遊び、寄せては返す波が遊びの痕跡を消し、綺麗に砂浜の表面を整えます。

 日本画の代表的な技法「片暈し」での筆の使い方、水の使い方は、まさしくこの砂浜での様子を水をつけた筆でつくりだしているのではないか、説明している間にそんなことに思い至ったのです。

 
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児玉希望作「一鷺栄華」の再現制作の様子も映像にして紹介することが出来ました。水の使い方、日本画の水との関係を幾らかでも伝えられていれば幸いです。