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3/25//2014  材料技法

科学雑誌Newton5月号に紅白梅図画像が掲載

■ ニュートンの「いにしえの色彩を求めて」という特集で、東京理科大の中井泉教授が行ったX線分析を用いた調査研究とその活用が紹介されています。1:平等院鳳凰堂の外装の色、素材 2:尾形光琳作、国宝、紅白梅図屏風に使用された素材、技法 3:東大寺法華堂の執金剛神像の色彩。紅白梅図の研究紹介で私の再現屏風画像も掲載していただきました。
 
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Newton2014年5月号(3月26日発売)・掲載号をニュートン編集部より送っていただきました。

パラレル宇宙論、福井恐竜王国コレクションと題された「福井県立恐竜博物館」紹介、火星の大地画像などが特集されています。日本の春をいろどるサクラの特集も掲載されていました。

 
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 平等院鳳凰堂修理に際しての彩色材料の科学調査とその施工、この4月3日から修理後の拝観が再会だそうです。続いて中井先生のX線を使った文化財の調査研究の紹介。MOA美術館所蔵の尾形光琳作、国宝、紅白梅図屏風の調査、分析について。拙作再現屏風と画像を上下に並べて比較していただく光栄です。そして東大寺法華堂の国宝・執金剛神像の極彩色の姿・CG復元も紹介されています。

 科学調査・分析によるデータに基づいた再現のための選択肢の提供。制作されてから経過した実時間については、いかんともしがたいにしろ、これらの分析調査、研究は、まさしく今日の製作者にとって制作された当初の素材や技法を知る大きな手がかりとなるのです。

 お送りいただいたNewton5月号を拝読しました。パラレル宇宙論・SFの世界と思っていた話が根拠をもった学問になろうとしている・・・ワクワクする特集です。火星の大地のビジュアルも、その多様性の美しさにドキドキしました。他に紹介されている地球の姿、生物もしかり。恐竜の骨格が持つダイナミックさもワイドレンズのマジック、強調により迫力がありました。人間とのサイズ比較がそれぞれあるのも嬉しいです。紹介されている福井県立恐竜博物館に行ってみたくなりました。桜のビジュアルは私の本業!にも関係した良い資料になります。

 美しい画像を伴った科学に関するワクワク・ドキドキの詰まった本です。

 光琳が紅白梅図制作に使った防染剤(マスキング)は何かというのも一つの謎でしたが、カリウムのピークについても触れられており、より進んだ研究の紹介がありました。

 ご紹介まで。