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4/18//2016  材料技法

日本画の資料制作他

■ 昨年京都、そして今年になって名古屋と二度にわたって調査に出かけた美術館の館蔵品を活かす教育普及ツール制作の先進事例調査について。それらの結果を踏まえた岡山県立美術館の「アート・ボックス」制作が進んでいます。今回取り組んでいるのは、「日本画」について。もちろん私が担当したのは、日本画で用いられる画材や、制作プロセスを監修し、わかりやすい資料を作ること。
 
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多様化の時代、またカテゴリーについての問い直しが行われている現在、はたして今日、「日本画」をどんなモノ、存在として定義するのかについては、国家の定義、オリジナル性の確認も関わって、なかなか難しいテーマと思われるのですが、対象を岡山県立美術館が収蔵している昭和初期頃までの作品と捉えることで何らかの形を作りたいと制作しました。

もちろん、材料や、(広範に使われた)描法、プロセスといった技術を具体的な手がかりにするアプローチは、これまで私が行ってきたこととオーバーラップしています。
昔の画塾等で教えられた「描法」「画材の使用方法」を、何世代にも渡って伝え、継続してきた伝統的な「価値観」としてその要素としています。
 

 
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館蔵品の一部に注目して、その描画プロセスを紹介する資料。本来の支持体である絹によるものを敢えて参考の一枚とし、3枚を紙本によって仕上げました。絹本の完成時における裏打ち等の作業を考慮して、変化の少ない紙本に置き換えての制作です。
 
 他に見えているのは、絹本の裏彩色、裏箔資料や溌墨、暈し、にじみといった技法と素材の関係などの資料、一部です。

 
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こういった機会でもないと、なかなか制作する気にならない・・・・制作を同時進行、計画的に行える事はありがたいです。

支持体に寄る違いを確認する資料制作。

 
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絵の具の重ね、塗る順序によって作られる色相が変わることなどの実験資料他。

これらを収納する箱も岡山県美オリジナル・岡山県立大学の南川先生が制作です。

さて晴れてのお披露目は何時になることやら・・・・。楽しみです。

 

 
 
話は変わって

 
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奈義町現代美術館での個展に向けた制作も進行中

 
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六曲屏風の銀箔を新たに貼ったり。

 
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紙を使った新たな水の記憶シリーズの制作もあったり。

 
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こういった制作も

あと、箔を使った制作などもあります。

 
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こんなのも製作中・・・・

 
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一時はこんな状況に・・・・

 


そしてこんなことも

 
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こんなのも出来上がりました

 
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滞っているこちらもしっかり頑張らねば・・・・・・。