森山知己ロゴ
7/24//2019  材料技法

小野竹喬作「海」技法解説

■ 笠岡市立竹喬美術館で現在開催中の《特別展》竹喬のすべて 第一章:模索の時代 1889-1938 、この展覧会で現在展示中の「海」の描法を手がかりに、先日、NHK日曜美術館(7月21日午前9時−10時)で放送された「にほん美の地図 岡山」番組中、竹喬の特徴的な描画を解説させていただきました。(再放送は、7月28日(日)Eテレ午後8時ー9時です。)

8月17日(土)13:30−14:30 笠岡市立竹喬美術館
番組で制作したサンプルを用いて技法解説を行う予定です。使われている素材、絹のこと、絵の具のこと、塗り方他、お話します(森山)。
 

bin072501.jpg

画面にしっかりと定着させるべく絵の具を一度塗り、次に絹糸表面を洗い出す作業、絹目に収まった絵の具と絹自体の持っている光沢感を一体として見せるような技法。

この作業を数度繰り返す。
下塗りと上塗りの関係、絹本の上での群青、緑青の使い方。
かつて模写を試みた「波切村」も展示中です。

参考)紙本制作においても和紙繊維を絵画表面に同様に見ることが出来る。

 
bin072502.jpg

一度洗い出した上から再び絵の具を重ね、そしてまた洗い出す。

海、水の質感表現として絹という素材が効果的に使われているように感じられる。一方、船、船頭はしっかりとした抵抗感があり、地塗り、もしくは下塗りの存在を確認することができた。

 
bin073101.jpg