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9/16//2019  材料技法

板絵 制作作業その2

■ 杉材に描く(天井画)制作が進んでいます。ヒノキ材に描くテストは終了、本制作用の材木がアトリエに運び込まれました。
 
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合板を裏から貼り付けたものもあり、また単板の物もあり、彩色を一通り行いました。(合板を裏に貼り付けると強度が上がるように思われますが、逆に収縮率の違いから表面の板を割ってしまうようです。薄くとも単板のほうが安定です。)
気づいたことは、木表に描くのと木裏に描く違い。また材木の上下の扱いです。本制作ではこのあたりも注意深く作業を進めます。(木裏のほうが密度があって縮まず良いのではと思ったのですが、絵の具の付き方、木材表面の収縮を見る限り、順当に木表に描くのがやはり良さそうです。)
天井に配置する時、木目方向もやはり考えて置きたいところ、縦目、横目、上下も注意する必要がありそうです。

 
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円窓の外側を本藍に胡粉を混ぜたもので塗ってみました。
統一色とするか、バリエーションを作るか?考慮中です。

 
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今年の倉敷屏風祭りに出品予定「天井画(円城寺) 花卉草木 屏風」左画像が一扇、これで二曲一双を作るのが計画です・・・・・

枠の材料はヒノキです。

全体ではかなりの重量になりそうなので、分離できる構造にします。

 
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本制作用の杉板材。ドーサ液を表、裏、表と引きました。
湿気や温度の高いのは厳禁です。
背中に見えるのは扇風機、なるべく早い乾燥を試みます。

 
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線描き(骨描きを墨で)を行い、続いて黄土の具による地塗り、そして下塗りを行います。
下塗りが乾いたら、それぞれの絵柄に応じて染料系絵の具による描き込みを行います。
主役の最終色に合わせて下塗りの厚みを変えます。

 
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計画の半分、12枚が出来上がりました。
円窓の外側は本藍に胡粉を混ぜたものです。

このあと、ヒノキ材で作ったフレームに組み込みます。
板目の扱いは交互の配置としました。

2曲1隻の完成となります。