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5/23//2020  材料技法

鏡の松制作 その12

■ 描き込み その2 上塗り その1
 
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松葉に続いて同様に木の幹へ朱土で色味を加えます。均一な色付けにならないように注意します。
 

 
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松葉、幹に色が全体に入ったら、続いて上塗りに入ります。松葉緑青の少し粒子感の感じられる絵の具(No.12ーNo.11)を溶きます。
松葉の塊に面としての抵抗感を加えるプロセスです(細かい白だけでは実感が弱いため、このあとのより粒子感のある絵の具の土台となります)。
大きな画面(広い面積)を塗る場合、何度も同様な作業を繰り返すことになります。手早く塗れる範囲、量を見極めて、長時間絵の具が水に溶かれたままの状態にならないように速やかに行います(絵の具を溶く折につけた膠が、薄めるために加えた水に溶けだしてしまう前に使い切るため)。
 

 
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手前から中央付近まで塗り進みました。画面にある大皿で4回ほど溶いては塗りを繰り返しています。松の塊、上部の形に沿って塗り、松の枝が透けて見えるように片暈しを行っています。
 

 
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同じ作業の二度目です。斑が感じられたり、位置関係を確認しながら絵の具の厚みをコントロールしています。

 
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松葉に粒子感のある松葉緑青が塗られたことで量感といったものが全体に感じられるようになりました。

※材木の収縮には驚かされました。昨年8月にアトリエに運び込まれた折には、横幅6cm程度の余分があり、画面左合わせで、下図を拡大、描くことで最終的に右端を切り落として調整の予定だったのですが、なんと今年1月に採寸してみると、木材の収縮によりその余裕分は無くなっていました。乾燥に伴い割れが出たピースの交換に際して部材を一枚幅広に交換することで再び2cm程度右端を最終的にカットできる余裕を作りました。しかし、その後の冬季の乾燥は、その余裕をも無くし、4月にはほぼ設計図面の大きさになってしまいました。この収縮に伴い、絵の中心が左に引っ張られる(収縮の結果、左よりに構図の中心がずれる)状態となったため、中央部の木部、枝を追加したり、動きを変えるために太さを調整したり、また右半分の松葉の量を増やしてバランスを取るなどの構図変更作業をその都度行いながら制作を進めています。

続いて、木部、木の幹、枝を描き進める予定です。

以下、制作の様子タイムラプス動画です。1動画最大で1分程度です。ちなみに10秒に一コマ撮影、1秒30コマです。


鏡の松制作 地塗りと下塗り
檜材の上にドーサ引き、墨による骨描きを行い、続いて黄土、胡粉、墨を混ぜた絵の具による地塗り、続いて白緑青の下塗りを行った様子のタイムラプス動画。
https://youtu.be/cNOxHc0Z-ew


鏡の松制作 白緑青による松葉の下塗り
白緑青による松葉の下塗り タイムラプス
https://youtu.be/Yv9BypZLn6E

鏡の松制作 描き込み作業 その1
染料系絵の具の藤黄(ガンボージ)と藍を混ぜて作る「草の汁」(緑色)で松の量感を描く。 タイムラプス
https://youtu.be/IfCSNv3-SP8

鏡の松制作 描き込み作業
朱土による幹の下塗り。タイムラプス動画。
https://youtu.be/dlo23EuSh7M