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8/14//2020  材料技法

鏡の松制作 その18

■ 仕上げ その1
 
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松の幹を均一に仕上げ過ぎたと感じたことから、朱土等を用いて明度の高い部分を中央部に作りました。またその流れを根の方向に繋ぎました。

松の葉の部分では、細い枝を描き起こした後、群青で奥行きを作りました。

数日眺めてみて、実感は高まったのですが、生な表現ということが頭に浮かび、幹の明るい部分の調整を行うことにしました。
 
具体的には、消えてしまった線を一度復活させ、コントラストを下げると同時に木の肌の割れ等をもう少し大きくまとめることにしたのです。
 

 
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明るい色彩は一部残しながら、木の肌表面を意識した調整を行いました。同時に松の葉の塊にはもう一段階強い群青を加え幹の強さと対峙できるようにしました。
 

 
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画像処理により、画面を立てた状態にして確認しました。
全体のまとまりも出てきたように思います。
意識したのは、ヒノキ材自体が今後経年変化で明度を暗くした折も違和感のない状態でそれに対応できる明暗等、色彩です。

細かい明度、彩度の調整を行い、仕上げの工程に入ります。
 

 
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仕上げの工程に入って三日目の状態です。
幹の部分、枝の部分に苔の下塗り、描写を加えています。
同時に松葉をもう一度描き始めています。仕上げとして慎重に描き終えたら、今回は最後にもう一段深く粒子の荒い緑青をかけてまとめる予定です。
 
ひたすら完成に向けた作業が続きます。