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9/12//2020  材料技法

鏡の松制作 その20

■ アトリエからの搬出、そして設置作業
 
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アトリエでの作業を終え、梱包搬出作業です。当初は檜板材自体の乾燥、下地作りでしたが、その後の制作期間も含めれば、ほぼ1年間このアトリエに板材がありました。
 

 
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天神山(岡山市北区天神町9-24)
RSKイノベイティブ・メディアセンター
能楽堂ホール tenjin9
無事、運び込まれ、梱包を解いている様子です。照明と色の関係、見え方などチェック。
 

 
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鏡の松、立てた状態で全体をチェックの様子。
岩絵の具の積層した色合い、深さを確認しました。
 

 
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これから一週間、建設されたばかりのこの空間の湿度、空気に静かに板材を慣らします。実際の取り付けは1週間後。
 

 
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宮大工さんによる設置・取り付けの様子です。
持ち込んで1週間、7つのパートに別れた板材の各ピース、それぞれアトリエから運び出した折よりひとつのピースあたり、3ミリから4ミリ程度幅が大きくなりました。合計約28ミリ・・・天然木ならではの変化です。

 
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設計、板材を準備した段階では十分と思われた板幅でしたが、我が家アトリエで制作する中、7センチ以上縮み、途中で余裕を含め10センチ程度総板幅を追加しました。それでも完成間近になったときには、より縮みが出、カット調整がいらないかも?と思われましたが、現地で最終的には5センチほど切ることになりました。

天然木ならではの伸び縮は、構図を作っていく難しさを感じたところです。

 
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若竹、切戸口の壁面も組み込みました。照明の具合によって部分的に竹の葉が思ったより暗く見える部分もありました。

板材の湿度による伸び縮、もちろん絵の具がついている部分もその動きに追従できねばなりません。保湿性、空気中の水分と仲良く出来る膠の使用も大切な選択です。

丸一日かかって無事に設置完了しました。このあと、照明の調整など行われるとのこと。

設置の様子を紹介しました。
次回は、完成後のお披露目「こけら落とし」(10月12日)後を紹介予定です。