SAIT MR1542 Drake RR-2

本機ですが、ベルギー ブリュッセルにある船舶用通信機メーカーSAIT Electoronics社から発売されていた船舶向け受信機MR1542です
が、中身は(外観も含め)Drake RR-2そのものです
Drake情報では、1974年の発売のようです
Drakeには、RR-1という、まさにSPR-4をベースにしたというか、そのまま使った同様の受信機があります、1971年の発売です
本機は、そのRR-1より、少し進化というかバンド切替が連続的にスムーズに行えるよう設計されています
RR-1は、9バンドに分割された150KHzから26MHzがデフォルトの受信範囲です
RR-2の場合は、150KHzから30MHzまで、500KHz毎に連続でカバーします
また、メーター・スケールも異なるものです
この後ですが、1980年代にR-7がベースっぽい、RR-3というモデルが発売されています

本機ですが、ゼネラル・カバレッジ・レシーバ SPR-4と、ニアリー・イコールです
150KHzから30MHzまで連続カバーします
 SPR-4FS-4を組み合せたようなイメージかも、です
スピーカーを前面パネルにもっていって、DC24Vに対応する電源を内蔵し、ラック・マウント用のケースに収めたもの
サイズは、482 x 178 x 279mm  6.35Kgと軽量
スピーカー内臓以外に、そのスピーカーのON/OFF、AGCのON/OFF、アンテナ・アッテネータ(−20db)など、機能の追加がしてあります
アンテナ・アレスタを内蔵、ヒューズもフロント面から交換できる構造になっています

リアパネルです
本来、ACケーブルはありません
本来電源供給は、5Pコネクタで接続ですが、入手した時点で単純に穴開けしてACケーブルが出ていました
穴を少し広げて、ブッシングで保護しました
上蓋を外したところ
右2/3は、ほとんどSPR-4です
ノイズ・ブランカーの搭載はありません
必要があれば、SPR-4用の5-NBが装着できます
底面です
左2/3は、SPR-4です
この1stオシレータ部分が、SPR-4あるいはRR-1とは、全く異なります
SPR-4、RR-1では、バンド・クリスタルを採用
本機は、シンセサイザ方式です
PTOには、RR-2の表記があります
多分ですが、SPR-4、R-4C用よりリニアリティが良いPTOが採用されたと思われます(後述)
アンテナ入力部
アレスタ(アンテナ)が組み入れられています
ACケーブルによる横取り?が見えます
ダイヤルはこのようになっています
FREQUENSYダイヤルで500KHz単位でバンド切替を行うことができます

0−500KHzあるいは、500−1000KHzの可変は、SPR-4あるいはR-4C同様の、1KHz直読のアナログ・ダイヤルです
この部分が、業務用・・・ SPR-4には、無い機能です
スイッチ上から
スピーカーのON/OFF
アッテネータ(20db)のON/OFF
AGCのON/OFF
電源スイッチ(DC24V―OFF―AC115V)
一番に問題となったヒューズ・ホルダ―
破損個所は異なりますが、3個すべてなにがしかの破損がありました
・きちんと取り付けできない
・ヒューズが固定できない(蓋が閉じない)
USで同じものを見つけて入手、写真は交換後の様子です
一番手を焼いたのは、このダイヤル・メカ部の清掃
あとは、目盛をきちんと合わせること
ダイヤル(PTO)はなかなか正確で、1ヵ所の100KHzキャリブレーションで、500KHz巾においてダイヤル誤差1KHzに収まります
感度・音質・音量とも良好です
仕様の詳細は、SPR-4が参考になります
DC24V動作では、おおよそ1A程度の消費電流でした(ヒューズは1.5A指定)
さて、今回の取り組み・・・
船舶で使用・・・塩害が多く見受けられましたが、これは外見的なことで内部は意外にもきれいでした
インチのビスについて、あまりに錆びているものは、手持ちのものから交換しました
まず、破損していたヒューズ・ホルダ
webで探したところ、同様のものをUSで見つけて手配
発注後4日で手元に届きました
使用時の問題・・・メイン・ダイヤル・メカの油が固着して非常に固い・・・メインノブの動きに、0−100KHzダイヤル板の動きがついてこない・・・メインノブをつかんで、ぐっと奥に押しやって回さないと選局できないような状況にありました
ボール・ベアリング部を一生懸命清掃して、なんとかSPR-4同等のダイヤル・フィーリングが得られるようになりました
スピンナー部に指をかけてメイン・ダイヤルが回せます・・・
動作には関係しませんが、見た目にあっては、ツマミのアルミ・インレイが外れたものが多くありました(メイン・FREQUENSYツマミ以外全て)
調べると、YAESUが多用していたLEX製のものがそのまま使えることが分かり、古いツマミからインレイ部を取り外して流用しました
見た目がぐっと良くなりました
2024.04  JA4FUQ

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