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本機は、初期モデルです(最終モデルはブラック仕様)
外部VFOも考慮がなく、固定CHユニットもオプション設定で、付いているツマミは、奥から取り付けられたφ6のビスに取り付けられている、なんちゃってツマミです
メインダイヤルの構造は、直前に合併したスターのSR -700/ST-700と同じです
また、YAESU初のプリミックスタイプのシングルコンバージョン方式という設計も、スターの分派グループによる泉工業 パロス22-TRと同じです
9MHzIFと、5MHz台VFOの組み合わせです
余談ですが、このプリミックス方式は、US.National社のNCX-3/NCX-200等を手本にしたのではないかと思われます(IFとVFO周波数を逆に使用) |
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シャーシ上面 リア側から
非常にコンパクトです
VFOと、AFオシレータ、100KHzマーカー以外、全て真空管で構成されています
このスペースで、これだけの真空管が並びますので、かなりの発熱が生じます
100KHzマーカーのON、あるいは送信オペレーションONなどにシーメンスキーが使われていますが、これもスターST700の流れかなと、勝手に想像するところです!? |
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シャーシ上面 フロイント側から
CWフィルタオプションの用意はありません
またノイズブランカーの採用はなく、単なるノイズリミッタ(ANL)が採用されています
外部電源装置 FP-200について
時期によって、11PコネクタのPin7の配線が異なっています
外部スピーカーに割り当てられているものと、COMMONとなっているものがありますので、別々に入手した場合は、チェックが必要でしょう
FT-200本体も、外部スピーカー出力端子が、RCAレセプタクルのものと、2Pフィーダーコンセントのものがあります |
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シャーシ底面
非常にシンプルかつ、うまくまとめられています
VFO
温度補償トリマが用意されています
当時のYAESUでは標準仕様です
ある程度のウォームアップ時間は必要ですが、その後のドリフトは実用の範囲です
ダイヤルリニアリティについて
調整後±1KHz以内の範囲でリードアウトできます |
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本機ですが、ファイナル管片側のG1配線が断線・・・このため、6JS6 1本は、お釈迦となっていました
AFオシレータの発振が止まっていて、TUNE/CWでパワーが出ない、キャリアポイント・クリスタルの片方が発振停止、大きなトラブルは以上で、それ以外の問題はありませんでした
FP-200との相性で、出てくるスピーカーの音が小さく歪んでいて、一瞬ですが悩みました
必要な対応/調整を行い、実際に稼働させてみて、十分実用に耐えると感じました
当初のスペックは満足しています
アナログVFOについても、十分実用の範囲です
増幅型AGCの効きも良く、S/N良く歯切れの良い受信音が得られます
当時の音がします(今で言うところのいい音ではないでしょうが、通信目的で聞けばいい音です) |
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こちらが、ブラックフェイスモデル(初期モデル)です
外観の見てくれは良かったのですが、内部はそれなりに劣化が進んでいました(湿気)
まずリレーの接触不良と断線・・・・48VのDCリレー(コイル抵抗5300Ω)は入手できそうにありませんので、同じピンのDC12Vリレーに交換し、制御のためのDC12Vは、ヒーター電圧を整流して得ました(製造時期で、採用されているリレーが異なるようです)
IF初段の6BA6に問題あり・・・時間の経過とともに、G1に+電位が現れる・・・当然AGCあるいはRFゲイン調整に不具合が発生します
これらの対応後、7〜21MHz帯については、
S/N 10dbを得るのに必要なRF入力は、0.5μV
28MHz帯においては、1μV
ここまでは、IF段の調整でできました
RF部は、コアがしっかり接着剤で固定がしてあり、調整はあきらめました
プリセレクタの同調位置からは、調整したいのですが・・・
送信は、使うことは無いとの判断で、手を付けていません
受信は、それなりに良い音で、それなりの感度で行えています
最後に気になるのは、BFO(キャリア)漏れ・・・Sメータが振れます
ここまで古くなると、少々の新旧はあまり関係ありません
全体の調子は、上記ご紹介の古いモデルのほうが良い・・・古い機械の場合、まさに保管状況によるのでしょう |
2024.10 |