Paros22-TR | |||||
3.5/7/14MHz帯の3バンド SSB/AM/CWに対応した管球式(一部Tr)トランシーバ この世界における一発屋のひとつです 386W 182H 315D と、決して小型ではありません 重量:10Kg 22-TR本体:¥69,800 PW-1電源: ¥15,600 スピーカー付き |
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本機は、200台程度の一発生産といわれています 1967年2月の発売 SR/STシリーズを製造販売していたSTAR(スター:元富士製作所の商品ブランド)が、経営不振から好調であったアマチュア無線部門も整理の対象となり、八重洲無線へ売却(一部ラジオ部門は改めて富士製作所を名乗りGROWNブランドで製品を販売)、当時の技術部長らがスピンアウトした先が泉工業で、ここから本機が発売されました が、1968年にはその技術部長も八重洲無線に移籍し、結果として泉工業としては一発屋で終わってしまったことになります 1968年に八重洲無線から発売になったFT-200は、まさにこのParos22-TRを5バンド化したような内容になっていますし、メインダイヤルもSR-700/ST-700シリーズと同様の構造になっています いかにもSTARエンジニアの設計と推測できる製品です ローコストで、実用的なSSBトランシーバの設計・製品化において、国内でその先鞭をつけた無線機が本機であったと思われます そういった意味で、本機は日本の無線機の歴史の中で記録しておきたい一品と思っています 本機 → FT-200 → FT-201 FT-301 FT-501も、同じ流れかな? |
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3.5/7/14MHz帯の3バンドに対応 IF:9MHz VFO:5.0−5.5MHz こちらは、トランジスタの採用 9MHzクリスタルフィルタを採用、プリMix方式のシングル・コンバージョン・タイプ 3.5/7MHz帯は、ヘテロダイン用にクリスタルを使用しますが、14MHz帯はクリスタルは使用しません、そのまま加算です ジェネレータ発生は、USBですね SSBの反転モードはありません、各バンド標準で固定です 受信は、高二中二のシングル・スーパーです 終段は、オーソドックスな 6146B シングルで、これまたオーソドックスなπマッチです メーター表示は、終段電流とRF出力の切替表示です VFOは、マイクロディスク(NEC製シリコントランジスタ) 2SC185 2個が採用されています 高圧は、230Vの倍電圧整流・・・600Vで、100数十mA程度と仮定し、入力50〜70Wというところでしょうか 受信RF入力・・・アンテナコイルは、送信終段のπマッチを流用してあります コンパクト化とアンテナ切替リレー1回路が省略できるメリットがあります その一方で、昇圧による利得は期待できません そのためでしょう、RFは2段増幅となっています(National NCX-5を参考にした様子) AGCは、RF2球、IF1球の都合3球を対象にしてあります(IF最終段は、対象になっていません) ただ、SSB/CW時には、AGCはOFFです 強い信号に対しては、RFゲイン調整で対応です 何か意図があったのでしょう(高感度受信を目指した? AGCは、感度を落とす手段ですHi) ALCは、平衡変調7360の次段に用意されたIFアンプ1段が対象です CWは、この球のカソード・キーイングです(最初に発表された回路から、製品時はバイアス・キーイングに/後述) Sメーターは、送信時終段電流選択時に振れるようになっています(RF-OUT表示選択時は振れない:リレー接点省略の結果?) 送受切り替えについても、狭いスペースに送受の管球が並びますので、苦労があったようです バイアスに加え、SG電圧の入り切りと、苦労が見受けられます 16球 2Tr により、構成されています 当時の記事を見ると、終段管の選択ひとつとっても、USと日本だけでしか入手できないTV水平出力管を避けて、世界標準の6146系の採用 ケースは、PAROS 20-CR と、21-CT とういう受信機、送信機と共通というコメントもありました(その現物は、目にしたことはありません) これを見ると、トランシーバである本機の型式が、 22-TRとなった理由が分かりますし、いびつなシャーシ・リア構造も、そうかケースは別目的と兼用かと理解できます 壮大な世界戦略があったのかもしれませんね その泉工業ですが、何か製品を作って輸出していたことに違いはないようです(製品が何かは?)
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ご覧のように電源部は内蔵されておらず外付けです PW-1というスピーカー内蔵の外部電源の用意があります |
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本機は3バンド対応 メインダイヤルには、赤字で波長がプリントされています |
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いわゆるRITです CW運用時に受信周波数をシフトするよう記されています ゼロインして送信すると相手にビートが聞こえません |
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DRAKE風です ケース、サイドパネル部に CW-KEY 接続ジャック ANTI-VOX、VOX-DELEY調整VRが用意されています |
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VFOダイヤル減速部 シンプルな糸掛け方式です この機構で、ダイヤル1回転あたり、おおよそ30KHz程度が得られています |
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シャーシ上側 ファイナル部が、後ろに飛び出したような形状です その左に作ってあるスペースの目的は不明です |
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リアからフロント側を写しました リアパネルはいびつです なにか意図があったのでしょうか・・・ |
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ファイナル部 背面のシールド板を外して写しました |
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リア側から角度を変えて 左奥パネルに近いところは、平衡変調:7360 その右はキャリア発振/プロダクト検波:6EA8 右端は受信AF出力管:6GW8 |
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左奥はVFO部 中央から左は送受共通の IF部 右は、RF部です IFT風のシールド 3バンド分が横に並べてあります |
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シャーシ下、裏側です | |||||
シャーシ下側・・・ファイナル部です | |||||
以下、専用電源 PW-1について ブロック型コンデンサを取り外した跡があります(後述します) ご覧のように、スピーカーが内蔵されています |
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ブロックコンデンサが取り外され、縦型チューブラコンデンサに置き換えてあります 一般に、この手のコンデンサ(ブロック型電解コンデンサ)が、一番最初に劣化が見られます いざ交換となると一般に、大幅に小型化されますし、最近ではチューブラー型しか入手できないケースが多いです |
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ブロックコンデンサの電解液が漏れています 時間が経過することで、一般的に良く起きる症状です ご覧のように、新たにチューブラー型に置き換えて、このものは使用はしていません(ラグとして端子を使用) |
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