YAESU  FTDX-401
1971年に、八重洲無線から発売された管球式の最後といってもいいHFトランシーバです
400ラインということで、一世を風靡したデザインです
前モデルは、FTDX400でした
よく似通ったフロントパネルですが、スライドSWの採用はありませんでした
また、ノイズブランカの採用ではなくANLの採用で、CWフィルタ・JJY受信パーツ・キットはオプション、そして記憶ではファイナル空冷ファンは付いていなかったように思います
さて、本機はVFO、ノイズブランカを除き、真空管で構成されたもので、送信終段は6KD6パラで800Vが印加されています
3.5〜28MHz帯をSSB、CWでカバー、初期モデルを除き、AM(A3H)の対応はありません
当時は、1W当たりいくら?みたいなパフォーマンス競争もあって、本機の場合、国内では430WDC入力とされていました
海外では、560WPEP入力とされ、USでは、FTDX560という型式で販売されていました
Hallicrafters社、SWAN社、あるいはNATIONAL(US)社などの製品と、同じイメージの型式の採用です
Hallicraftersブランドでは、2KW入力「SR-2000」、SWANブランドでは700W入力「SWAN700」、NATIONAL(US)ブランドでは1KW入力「NCX-1000」というトランシーバも存在していました
国内では、TRIOからTS-511Sという、終段が6LQ6パラの公称入力500WPEPという、やはり送信出力に対してコスパ重視のトランシーバが発売されていました

お話を戻して、
今なら、2アマ出力200Wの免許を受けるのに最適と思われますが、当時は2アマは100W出力まで、ひとつは輸出を意識したものであったと思われます
その例えとして、フルオプションでしたし、フォーンパッチ対応の端子が背面に用意されていました
CWフィルタも最初から内蔵、バンドクリスタルもアマチュアバンドはもちろん、JJY(WWV)も実装です
国内バージョンではオプション扱いが、輸出バージョンではフルオプション、よくあるパターンです
1970年発売のFT-101より遅い発売・・・まだまだ真空管で得られる性能のほうに、マーケットは大きく魅力を感じ取っていたというか、信頼をおいていた時代です
当時のDxerにとって、心惹かれるトランシーバであった、です
発売時、¥128,500だったと思います(FT-101は、100Wモデルが¥138,000)
その昔は重たいと思っていましたが(17kg)、TS-940を持った後に持つと軽いです!?


手持ち品で、当時の運用スタイルを再現してみました(あと外部VFOがあれば完璧!)
受信部
第一中間周波数5.52〜6.02MHz、第2中間周波数3.18MHzのハイフレ・コリンズタイプのダブルスーパーヘテロダイン、高1中2の構成です
半導体を採用したVFO(8.7〜9.2MHzを発振)、あるいはノイズブランカには、当時最新のFETが採用されています
送信部
平衡変調器に7360を採用、終段は6KD6パラ、12BY7Aではドライブ不足が心配されるのでしょう、6GK6(6BQ5同等)が採用されています
メインダイヤルにあっては、FT-101同様の100KHzダイヤル(バーニア機構で1/6に減速、ツマミ1回転がおおよそ15KHz)が採用されています

外ケースから取り出すと、シャーシ上面はこのようなお姿です
終段部の天井シールド板は取り外して写しています
クリスタル・フィルタは、CW用も標準装備です
VFO上の基板は、ノイズブランカ・ユニットです
使われている半導体は、当時最新のFETが主役となっています
終段部です
プレート電圧は800Vのハイパワーですので、それなりな高耐圧部品が使用されています
また、クーリングファンも装備されています
シャーシ裏面です
FT-101のような、RF部のシールドパネル(蓋)はありません
コイル群は、シャーシ上面でシールドされた中に収納されています
リアパネルです
整然としています
冷却ファンの電源を取っているところの右の端子2個が、フォーンパッチ用に用意された端子です

当分放置していたものを簡単に整備しました(むしろ清掃のほうが大変!)
破損したツマミの交換、リレーやスイッチの接点清掃、VR類の清掃など・・・
送信終段管6KD6は、酷使された結果のようで、出力は100W足らずしか出ません(800V 0.2A程度)
受信は、今でも通用しそうな結果
一例ですが、21MHz帯  0.2μV 入力で、S/N15dbくらいあります(規格は、0.5μV入力でS/N20db以上)
発売から、50年以上を経過しても実用に耐えうる結果ということになりそうです(6KD6は、交換するとして)

2025.01 
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