TRIO JR-599
当時ではまだ珍しい オールソリッドステートかつセパレートでという、高級機です
1969年8月の発売です 当時の花形は、 管球中心の YAESU 400ライン 
YAESU FT-101の登場は、1970年です
本機は、CustomSpesialで、本来フルオプションの受信機です
当時¥98,000だったと思います
相方に、TX-599という送信機がありました
デザイン、音質のTRIO と言われた時代の産物です
シルバーパネル・・・やたらと反射して(光って)写真を撮るのが難しいです!

当時の純正と思われるSP-55と一緒に 


相方のTX-599とセットで

1.8MHz帯からWARCバンドを除くHF6バンド+10MHz帯(WWV)+50MHz帯+144MHz帯とカバーします
受信モードも、SSB/CW、AM、FM(当時ですからワイド・・・±10KHz)とオールモードに対応
270W x 140H X 310D 5.7Kg とコンパクトな筐体に仕上がっています
当時最新のFET 3SK22が、多用されています
YAESU FR/FL-101シリーズより、かなり先行した、オールソリッドステートモデルです

こちらは、リアパネルの様子です
VHFコンバータ2つを内蔵しますので、パネルの穴はすべて埋まっています
AC電源
100/117/200/240Vに切り替え対応
DC12V稼働もOKです
こちらが、下(底面)の様子です
シールド板に囲われていてるところはRF部
丸見えの基板はIF部です
シャーシ上面を撮したものです
上シールド(RFユニット部)の背面側
ここに50MHz帯/144MHz帯のコンバート基板が配されています
28MHz帯のカバー範囲が1.7MHzのため、50MHz帯の場合、「B」側に切り替えると、51.7MHz〜53.4MHzをカバーすることに、
144MHz帯の場合、145.7MHz〜147.4MHzをカバーすることになります
ダイヤル読み取りに悩みます・・・
中央に見えるツマミは、VFOと固定チャンネルを切り替えるロータリースイッチです
カスタム・スペシャル、あるいはカスタム・グレートであれば、本来CWフィルタも装備されていますが、他に流用したのでしょう
本機では、取り外されていました(早速入手の機会があったので、組み入れました)
左から、FM(集中IFT)、AM、CW、SSB用フィルタの装着です
左上に見えるツマミは、VFOと固定チャンネルを切り替えるロータリースイッチです
メインダイヤル表示部 裏側
ガラスヒューズ型のランプが採用されていますが、ダイヤルスケールの劣化?のせいか0ー500の数字が読みづらくなっていたので、その下にLEDのランプを追加しました
BA9 DC12Vのものです

見た目の状態は、年相応
電気的には、オリジナルの状態を維持していると思われます
感度だけで言えば、十分なレベルです(下段実測値を参照)


BAND(MHz) CW/SSB
RF信号のON/OFFで
S/N10dbが得られる信号強度
CW/SSB
参考
カタログ値
1.8 0.2μV 0.5μV
3.6 0.2μV 0.5μV
7.1 0.2μV 0.5μV
14.1 0.1μV 0.5μV
21.1 0.2μV 0.5μV
28.6 0.2μV 1.5μV
50.1 0.2μV 1.5μV
144.1 0.2μV 2.0μV


1stIF=8MHz台 2ndIF=3395KHz VFO:4.9〜5.5MHz
この時点で、TRIOの十八番となっている周波数構成です(HeathKitのパクリ)
HF帯:1.8MHz帯から144MHz帯までのVHF帯をFMを含むオールモードでカバー
帯域フィルタのモード連動切替/手動切替、たすき掛けVFOオペレーション、RFアッテネータ(20−60db)内臓、と、ハイグレードな製品でした
感度だけで言えば、現在でも十分機能するスペックです(14MHz帯においては、0.1μVでS/N10dbが得られました)

この頃の設計は、オール半導体とはいえ、まだ真空管時代の設計を引き継いだ感があります
特に本モデルは、当時最新のFETが多用されています
FETが二乗特性で、真空管と同じ特性ということもあるのでしょう
この後のTRIO製品は、狭帯域フィルタを通ったあとのIF段で利得を稼ぎ、またAGCも深くかけるような設計となり、結果としてIFノイズが多くなったように思います(無信号時の残留ノイズを多く感じる)
今回は、IFノイズが少ない点が、高い感度を計測したひとつの理由だと思います
混変調ほか、近接の強い信号等から受ける影響については、きっとこの後の設計が優位でしょう
2022.07   JA4FUQ

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