Heath-Kit  SB-110A
50MHz帯(49.5−54.0MHz)を、500KHz巾で SSB/CWにてカバーする、オール・モード・トランシーバです
最初から用意されているのは、50.0−52.0MHzの4バンド
SWAN250、DRAKE TR-6など、ある時期に人気のHFトランシーバーを50MHz帯用として再設計・発売されていたもののひとつで、ひとつのブームがあったのでしょう
従って、仕様・オプションなどは、当時のHF機と共通というケースが多いと思います
見た目は、HF用のSB-100/101/102とよく似ていますが、ツマミが一つ多い・・・・受信のRF同調が単独で用意されています(PRESELECTOR)し、AF/RF-Volも単独で用意されています
一般にHF機は、送受RF同調:DRIVEで兼用でしょうし、AF/RF-Volについては2連Volの採用が中心です
本機は、1965年の発売で、その時のHF機は、SB-100です
年期の入ったマシンで、そのほとんどを真空管によって構成されています
MICジャックは、オリジナルではありません
パネル塗装は傷んでいます(霜降りデザインではありません!)
本機の構成
1stIF:8.4−8.9MHz
2ndIF:3395KHz
のダブルコンバージョンタイプ
VFOは、5.0−5.5MHzを発振
送信終段は、6146x2という、Heath-kitにおいて極めて標準的なもの
受信RF-TOPと1st-Mix部には、ニュービスタ6DS4を採用
0.1μV入力時、S/N10dbを得ているとあります
ANLはダイオードにより、検波・オーディオ段ではなく、IF再終段で処理されています
17球、1Tr、20Diで構成されています
AF段プリアンプのTrを除き、すべて真空管で構成されています
ダイヤル読み取りは、LSB/USBでそのカーソル位置が変わらぬよう、VFOの周波数シフトが行われています
CW時には、もちろんサイド・トーン信号が得られます

AF/RFゲインVRは、独立しています

固定CH 1個を内蔵できます
シャーシ上面
HFのものとは、基板構成や配置がずいぶん異なります
左下:受信TOP、1stMIX
左上:受信IF
中央上:ジェネレータ
中央下:VFO(Heathでは、LMOと称されます)
右下:送信ドライブ、2ndMix
右上:終段部 6146Bが2本刺さっています

LMOLiner Master Oscillatorの略称です
シャーシ底面
シールドされているところは、バンド切替に関係するオシレータ部
中央奥は、受信のTOPです
黒いヒートシンクが取り付いているものが2つ見えますが、これがニュービスタ6DS4です
3連VCは、PRESELECTORです
クリスタル・フィルタの奥の真空管の先に見えるのは、固定CH用クリスタルのf合わせ用トリマ

クリスタル・フィルタの右下には、バンド・クリスタル4個が配されています(500KHz巾で、50.0−52.0MHzを4バンドでカバー)
VFO(LMO)を中心に写しています
LMO、この頃は、真空管式です(6BZ6)
SB-102から半導体化されました
左奥に見えているクリスタルは、マーカー/100KHz
2連VCは、送信ドライブ調整用です
中央の基板は、SSBジェネレータ部
VFO(LMO)部の下です
ここにリレーが配置されています
シャーシにソケットで取り付いている球は、定電圧放電管(OA2)です
ゆったりとしたファイナル部です

ドライバ段にも中和をとるようになっています
リアパネルです
ここだけ見ると、HFのトランシーバと同様に見えます
1965年発売当時の価格は、$299 もちろんキットです
仕様的には、HFのマシンと何ら遜色ありません

オリジナルのSB-110と、改良版のSB-110Aがあるようです
本機を調べたところ、V9が6AZ8で、プリント基板上に配置されていることからSB-110Aと判断しました
電源は外付けで、HP−23シリーズが該当します
このあたりは、HFシリーズと共通です
     2024.05  JA4FUQ

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