hallicrafters SR-46A
純正MICが入手できたので、オリジナルのMICコネクタに交換しました(2024.04)
そのマイクロホンは、クリスタル・エレメントでした
50MHz帯 AMトランシーバ
308 x 140 x 210mm 重量7.7Kgと電源内蔵で、ままコンパクト
たぶん1964年の発売  真空管10本で構成されています
余談ですが、私がアマチュア無線というものに興味を持ちだした頃です
発売当時、$220前後の金額が付いていたようです
AC120V & DC12V に対応  DC−DCは、バイブレータ方式です
送信は、終段7551  入力10〜12W  ハイシング変調方式
本モデルは、内臓クリスタル4個の切り替え、または外部VFO
受信は、1stIF=20.15MHz、2ndIF=1650KHzのダブル・スーパー方式
(IF=1650KHzは、ハリクラフターズのお得意)
同じデザインで、144MHz帯 SR-42Aもありました(やはりAMで、11球構成/送信に1本増える!)


 
LafayetteのHE-45Bとほぼ同時期に、約$100高い$220前後で売られていたようです
コンパクトさと、RF出力、AC/DCいずれの運用にも対応する点など、この2機種は似通った点も多くあります
決定的な違いは、受信方式
片やシングル・スーパー・ヘテロダイン方式、こちらはダブル・スーパー・ヘテロダイン方式です
受信の安定さにおいては、格段の違いがあります
また、IFノイズ(無信号時のノイズ)についても、HE-45Bのザーという荒々しいノイズにくらべ、SRー46Aのノイズは、サーに近い大人しいノイズで、長時間受信しての疲れ方は違うと思われます
感度においても、きちんとANTコイルが用意され、ニュービスタ(13CW4)を使ったRFアンプで、帯域幅4MHzで、S/N10dbを得るのに1μV以下の信号で可能でした(30%変調ON/OFF)
一方送信は、出力5W程度(新品の7551を持っていなくて現状で)、12AQ5一本でのハイシング変調で、いわゆるマイナス変調・・・音声信号が入ると、それに応じてパワーが下がるような変調のかかり方です
送信においては、HE-45Bのほうが4割程度出力が大きいです(さすが、2E26の採用)
製品としての作り方・・・配線を含め、さすが hallicrafters 無線機メーカーとして、上手にきれいに作ってあります

全体を見るとこのようになっています
横のパッチン錠に注目
サイド面のパッチン錠を外すと、このように上ケースが開きます

真空管の配置記したペーパーが上ケース内側に貼ってあります

このまま上ケースを取り外すこともできます
こういう構造なら、フロント・パネルにクリスタル・ソケットを用意する必要はなさそうです
上ケースを外して正面から
シャーシ左下、ブロックコンデンサの下にニュービスタ(13CW4)が見えます/小さい金属キャップのよう)
受信は、そこから右に信号が流れ、中央がIF段
奥のIFTの向こうに検波・ノイズリミッタの12AL5、そしてその右がAF段で、12AT7と12AQ5です

リレーの横にクリスタル・ソケットが用意されています
HE-45Bでは、FT-243型でしたが、本機はCR-23/u(HC-6/u・HC-48/U)です
上ケースを外して背面より
スピーカーの手前に見えるのが送信ファイナル7551です
その左に見える7059(6EA8の12V管)で発振と2逓倍しています
hallicraftersは、7059がお好きで、真空管にもhallicraftersのプリントがなされています
シンプルに12V管を使おう・・・でしょう(13CW4というのも初めて目にしました、普通は6CW4ですもの)
この時代のDC-DC対応は、バイブレーター方式
奥側がそのものです(手前は平滑用ブロック・コンデンサ)
シャーシ下の様子
整然と配線されています
高周波的には、よく考えられており、必要なシールド板もきちんと配されています
350V50μFの電解コンデンサを追加しました(容量抜けでハムがひどい)
送信終段部

右端に見えるシールド板は、ファイナルの7551のソケットの真ん中に使われているもの

タンクコイルは、エアーダックス
小型VCがプレート同調用
大型VCがロード調整用
πマッチです
入手した本機
マイク・ジャックは、φ6より一回り細い通信プラグ(PJ-068)に対応したもの・・・とりあえず、手持ちのMM-1(Collins)を流用しました

このジャックがオリジナルかどうかは???です
写真等のイメージでは、heath-kitが良く使っていた、Amphenol 80MC2M ではないかと思うのですが・・・
どちらにしても、一般的ではありません

まず、入手時点で受信感度が悪い
全く聞こえないわけではありませんが、5μVの信号でS/N10dbとれるかどうか
どうもRFアンプの周りに問題がありそうということで、チェックを開始
ANTコイル周りの常数を変更して、きちんと同調がとれるようにしたところ、見事感度がとれるようになりました。
帯域幅を狭く(1MHz幅)調整すれば、0.5μVで、S/N10dbが得られました
が、せっかくの4MHzカバーですので、ある程度均等に調整し、0.7μV入力でS/N10dbがとれるように全体調整しました
ここで次の問題に
受信Sメータの振れが極端に悪い・・・・感度そのものは取れているのですが、信号レベルが上がってもSメータがあるところから振れません
せいぜいS8程度まで・・・聞こえれば良い、で済ませばいいのですが、せっかくですからここはもう一歩・・・
メーター回路を確認したところ、IF管(12BA6)のプレート電圧(電流)の変化を見ているようですので、これは真空管に問題(劣化)があるのではないと疑い、2本を新品に交換
これできちんと信号強度に応じてSメータも振れるようになりました
感度のチェックだけでは、見落とすところでした

安定度について
AMであれば十分と思える安定さです
オシレータには、ツェナー・ダイオードで安定化させた120Vが供給されています

メイン・ダイヤルについて
この時代は、1/6に落とす、いわゆるバーニア機構の採用がほとんどです
本機もそうなのですが、CRCなど下手な注油は空回りの元になります
一度掃除してシリコン・グリスを塗布しましたが、まだ時に空回りを感じます・・・なじんでくれればいいのですが

送信は、ハムがひどかったくらいで、平滑コンデンサ追加対応でほかに問題はありませんでした
クリスタルは、2逓倍・・・25MHz台のものを使用します
もしかしたら、こちらのAMECO VFOがそのまま使えるのではないかと思います

いやらしいのはマイク・ジャック
交換しようかとも思ったのですが、合うマイクを持っていたので、そのままにしています
2024.04 純正マイクロホンが入手できたので、手元にあったオリジナルのコネクタに戻しました

最後に、SR-46との違いですが、メイン・ダイヤル左上のSQの追加だけのようです

2019.11   JA4FUQ

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